自己PRで「コミュニケーション力」をアピールするには?
結構、コミュニケーション力には自信がある。しかし、それをどう表現すれば伝わるのだろうか?
記事「インターンシップエントリーの秘訣!」で求める人材像を把握し、自らが求める人材であることを書くことを述べた。
しかし、この「求める人材像」と、自己PRに繋げることがいまいちピンとこない人がいるのではないだろうか。
例えば、ある会社のインターンシップに申し込もうとして、その会社が求める人材を調べてみると、どうも「お客様から信頼されている力」を持つ学生を望んでいるようだ。コミュニケーション力の一種だろう。よし、ではその力を身に付けたエピソードを書けばいいと、自らの学生時代を振り返ってみると・・・信頼された記憶が無い!どうしよう!(涙)
こんな感じである。ここで躊躇したり、諦めてしまっている人はいないだろうか。
そんなに悩む必要はない。君は人生ずっと、友人知人の信頼を裏切り続けてきたのだろうか。そんなことはないはずだ。もちろん、たくさんの人が君を感謝し、涙するほど信頼を寄せた出来事はないかもしれないが、その会社はそこまでは要求していない。「今それができる人」を望んでいるのではない。「入社後、成長して、それができる人」を望んでいるのである。それを踏まえて考えれば、そんなに難しくないのである。
ということで、今回は学生時代から「コミュニケーション力」を抽出する秘訣を伝授したい。
コミュニケーション力とは?言い換えると……
コミュニケーション力にも、いろいろ種類があるのだ。
さて、社会で働く上で必要とされる、コミュニケーション力とは、一体なんだろうか。
まずは社会で働く上で必要とされる力の分類方法を見てみよう。
- 「基礎力」(リクルートワークス研究所)
どんな仕事においても、社会で働く上で必要とされる力。 - 「若年者就職基礎能力」(厚生労働省)
事務営業の職種について実際に企業が若年者に求めている就職基礎能力(コミュニケーション能力、職業人意識、基礎学力、ビジネスマナー及び資格取得) - 「社会人基礎力」(経済産業省)
職場等においてコミュニケーション能力や実行力などの、人との接触の中で仕事をする能力。 - 「職業的(進路)発達に関わる諸能力」(文部科学省)
経済社会において一個の職業人として求められている、主体的に知恵や個性を発揮して自己実現したり、社会を支える自己という存在の社会的意義を高める力。 - 「人間力」(内閣府・人間力戦略研究会)
社会を構成し運営するとともに、自立した1人の人間として力強く生きていくための総合的な力。 - 「学士力」(中央教育審議会大学分科会)
学士課程(大学の学部教育)のなかで身に付けるべき能力。
対人基礎力
- 親和力:一緒に働く仲間と信頼関係を築く。
- 協働力:目標に向けてチームワークを発揮し仕事を進める。
- 統率力:いわゆるリーダーシップ。組織全体を把握する。
- 感情制御力:感情に流されない。
- 自信創出力:ポジティブシンキング。モチベーションを持続させる。
- 行動持続力:率先して行動し、それを習慣付ける。
- 課題発見力:課題に気づき、整理する。
- 計画立案力:課題を解決するための計画を立案する。
- 実践力:立案した計画を実行する。
- 言語的処理力:文章の要旨を把握し、その目的を理解する。
- 数量的処理力:計算する、グラフ表を読み取る。
- 論理的思考力:収集した情報を組み合わせ、分析し、構造的に理解する。
- 創造的思考力:全くのゼロから思考する。オリジナリティな発想をする。
- 親和力:一緒に働く仲間と信頼関係を築く。
- 協働力:目標に向けてチームワークを発揮し仕事を進める。
- 統率力:いわゆるリーダーシップ。組織全体を把握する。
※基礎力のうち、「対人基礎力」「対自己基礎力」「対課題基礎力」は面接やグループディスカッションで測定されることが多く、「処理力」「思考力」は、SPIなど筆記試験で測定されることが多い。よって、エントリーシートに書くべき自己PRは、「対人基礎力」「対自己基礎力」「対課題基礎力」を書くべきである。
コミュニケーション力をアピールできる具体例を引っ張り出す!
コミュニケーション力を表現する視点が、これだけたくさんあれば、しっくりくる言葉が見つかるだろう。その言葉を自分オリジナルにアレンジすればいい。
対人基礎力をさらにブレイクダウンすると、以下の項目となる。
親和力:一緒に働く仲間と信頼関係を築く。
- 「親しみ易さ」大抵の人には笑顔で接することができる
- 「気配り」相手の立場に立って考えるように心がけている
- 「対人興味」相手の話に興味をもって聴くことができる
- 「共感・受容」人の考え方や感情を理解するよう心がけている
- 「多様性理解」自分と異なる意見や価値観を尊重し、柔軟に受け入れることができる
- 「役割理解・連携行動」集団の中で、自分の担当の仕事をきちんと遂行することができる
- 「情報共有」自らすすんで報告・連絡・相談をし、有用な情報を周囲に伝えることができる
- 「相互支援」自分の役割だけでなく、周囲の状況にも気を配るように心がけている
- 「話し合う」話し合いの場を設け、活発な意見交換ができるように場を盛り上げることができる
- 「意見を主張する」意見が対立したり立場が上の人から理解を得られない場合であっても、妥協せず、自分の意見を粘り強く主張することができる
- 「建設的・創造的な討議」意見が対立した場合でも、互いの意見を活かしながら、さらに創造的な結論に導くことができる
さて、前述した、とある企業が求めている「お客様から信頼されている人」は、どれになるだろうか。おそらく「親和力」に当てはまることがわかるだろう。よって、この企業に提出するエントリーシートに書くべきエピソードは、「親和力」を身に付けたエピソードを書けばいいことがわかる。
つまり「親和力」を説明する5つの要素を見て、自らの研究活動やクラブ・サークル活動、アルバイト、留学などの経験の中から、5つの要素の一つを表現できるエピソードを引っ張り出せばいいのだ。
<例>
- 「親しみ易さ」(接客アルバイトで)笑顔で接客できたエピソード。
- 「気配り」(塾講師アルバイトで)生徒の気持ちに立って考えたエピソード。
- 「対人興味」(ゼミ活動のフィールドワークで)好奇心をもって取材できたエピソード。
- 「共感・受容」(英会話サークル)メンバーの考え方や感情を理解できたエピソード。
- 「多様性理解」(留学で)ホストファミリーの意見や価値観を受け入れることができたエピソード。
企業はそんな難しい力を要求しているのではない。
もう一度言おう。
企業は「今それができる人」を望んでいるのではない。
「入社後、成長して、それができる人」を望んでいる。
君の過去に確実にあるはずの、その力を発揮したエピソードをアレンジして、伝えるだけの話なのだ。
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