大学生の就職活動/就職活動の準備

年功序列は日本企業の成長の鍵だった 1(3ページ目)

年功序列は時代に合わない、これからは成果主義だと言われて久しい。しかし、思ったほど成果主義が日本の企業文化にマッチしていないのも確か。年功序列が持つメリットを加味した制度を持つ会社を選ぶべきだ。

執筆者:見舘 好隆

年功序列制度のメリット

ロイヤリティ
年功序列はその企業へのロイヤリティを醸し出していた。
年功序列制度は、すでに時代遅れのレッテルが貼られているが、メリットはある。
  1. チームワークが保たれやすい。
    上司は常に先輩(年長者)であり、命令も先輩(年長者)から出されるため、心理的抵抗感が少ないと言える。成果主義であれば、後輩(年下)が上司になることも充分あり、その時にはなかなか心理的に辛いであろう。

    「最近の若い人は先輩や年長者だからって言う事聞かないよ!」

    確かにそうかもしれないが、少なくとも年下の後輩に命令されるより言う事を聞く可能性は高いだろう。私は大学にてサークルの顧問をやっているが、新入生は先輩に対し敬いの念を持っていると感じるぞ。数ヶ月して実力が伯仲してくると分からないけどね。
     
  2. 組織への忠誠度(ロイヤリティ)を高めやすい。
    現場でこき使われようが、今我慢して勤めていれば、きっと将来は自分にも出世して部下ができるからという思いが、仕事を投げ出したり、転職を思いとどませる効果があると言える。

    「最近の大学新卒者は3年以内に3分の1辞めてるよ!」

    そうそう。早期退職者が最近年々と上昇している原因の一つが、「勤め続けてもいいことないから!」という意識が高まった、つまり終身雇用や年功序列が演出していたロイヤリティが薄まった証左とも見て取れる(転職が普通になった、ネットで就職活動するためにミスマッチが生じやすくなった、若者自身のストレス耐性が低くなったなど、原因は他にもたくさんある)。
     
  3. 仕事を教える意識を持ちやすい。
    仕事は年長者(先輩)から学ぶのが当たり前であり、自らが年長者になれば年下(後輩)に手取り足取り仕事を教え込むのは当然であるという社風を維持しやすい。年長者は年下にポストを取られたり、給与面でも抜かされたりすることがないのだから、安心して仕事を教えることができるのだ。

    「嫌な上司がいたり、教えるのが下手な上司もいるよ!」

    確かにいるけど、それは年功序列のせいではない。その人の性格や人格がまともでないだけだ。それは会社のせいでもないし、制度がそうさせたわけではない。その人が生まれ持ったものだ。しいて言えば、人事が面接の時に見抜けなかった責任と言えよう。


以上、メリットを考えてみると、それほど悪い制度ではないように見える。

でもやはり、デメリットも大きいのだ。


※次のページで、年功序列制度のデメリットを学ぶ!

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