伝えたつもりがひとりよがり病
『コミュニケーション集中治療室』(著者:須子はるか・松村香織、東洋経済新報社、\1,470) |
面接で自己PRするときに、陥りやすい病気がこの「伝えたつもりがひとりよがり病」だ。
例を出してみよう。
「本場の讃岐うどんを食べに行きました。とてもおいしかった。」
これでは「ふーん」で終わってしまう。
「本場の讃岐うどんを食べに行き、100店舗回りました。とてもおいしかった。」
これではまだ、讃岐うどんの美味しさは伝わってこない。
「本場で讃岐うどん100店舗巡りをしました。もう、東京でうどんは食べられなくなるほど異次元の美味しさでした。」
少し伝わってきたかな。
「本場で讃岐うどん100店舗巡りしました。本場で食べたことあります?(面接官はうなずく) もう、東京でうどんは食べられなくなるほど異次元の美味しさなんですよね!」
面接官に会話に参加してもらうことで、よりリアリティを高めました。
「本場で讃岐うどん100店舗巡りしました。本場で食べたことあります?(面接官は首を振る) (びっくりした顔で)ええ!もう、東京でうどんは食べられなくなるほど異次元の美味しさなんですよ!(前のめりになる)」
おまけに表情と身振り手振りを交えることで、更に相手に讃岐うどんの美味しさを伝えました。
結局は、伝えたいメッセージの中身の問題ではなく、メッセージの伝え方が相手を配慮していないと言うことなのだ。相手は初対面の面接官だ。生まれも、年齢も、社会経験も違う。まったく自分とは違った環境で育った人であることを前提に、話をすることを忘れてはいけない。
限界まで具体的に、相手の視点に立って、表情や身振り手振りを使って、伝えたいことを伝えよう。もちろん時間に制約があるので、ギリギリまで短くシンプルにだ。
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※その他、番号をつける(三つあります。一つは~)。確認する(うまく伝わりましたでしょうか?と聞く)。許可を取る(~の視点での意見でよろしいですか?と聞く)など。『コミュニケーション集中治療室』にはまだまだ載ってるよ。