大学生の就職活動/就職活動の準備

社会人 最初の会社で人生は決まらない(2ページ目)

新卒で入社する会社で、人生の全ては決まらない。もちろん人生に多大なる影響を与える決断であり、安易には決められない。でもまだ働いてもいないのに、人生を決める決断なんて、まだ早いことを理解して欲しい。

執筆者:見舘 好隆


新卒で入社する会社で、人生の全ては決まらない。

記事「自己分析なんか、もうしない!」も読んでほしいのだが、Sさんが残りの大学生活で実践すべきことは、以下の3つだ。学生から社会人への大きな転機(トランジション)を迎えるにあたり、必須の作業と考えて欲しい。
    • 実地で試してみる!
      いうまでも無くインターンシップである。難しければアルバイトでもいい。「経営コンサルタント」が「本当にやりたいことなのか?」を試さずに目指すのは非常にまずい。とりあえずやってみることが先決。インターンシップが無理でも「取材」ならできるはずだ。実際の企業、そして働いている人を取材し、ケーススタディとしてまとめてみるといい。興味が沸く仕事は「経営コンサルタント」だけじゃないかもしれない。例えば産業再生機構の実際の仕事内容を調べてみると、Sさんのしたい仕事かもしれない。いろいろ首を突っ込んでみよう。
       
    • 新しい人と出会う!
      大学の教授はもちろん、卒業して働いている先輩や同級生の両親、そして自分自身の親族一同などなど、あらゆる人脈を活用して、「経営コンサルタント」もしくは「地元の地方公務員」を探して、話してみることが先決だ。そこで働く人なら、聞きたいことがたくさんあるだろう。その熱意を使って「新しい人と出会う」ことを目指して欲しい。とにかくすでに「働いている人と出会う」ことは、とても有意義なこと。たとえ意中の仕事をしている人と出会えなくても、たくさんの社会人に自分の悩みを聞いてもらうといい。働いたことが無いのに、キャリアプランは本来描けない。だからこそ、働いている人と出会って話を聞くことに、時間を惜しんではいけない。
       
    • 働く意味を考える!
      Sさん自らが、「働く意味」つまり「テーマ」をもっと明確に設定できないか、もう一度考えてみよう。「生きがいを感じられる仕事」「女の幸せ」など、もう「言葉」にできているから、あともう少しシンプルに、もっと自分らしい言葉になって出てくると良いね。例えばNPO法人など、「金儲け以外の意味を持ち働いている人」に話を聞いてみるといい。なぜならきっとそこで「働く意味」があるからこそ、働いているはずだから。
そもそも全ての夢をかなえる仕事が、まだ仕事を理解していない時点でみつかるわけないよ。なぜならキャリアは決して1色の絵の具で描かれるものではないし、1種類の糸で織りなされるものではない。まず新卒で入った会社で一通り仕事を覚えた頃に初めて、キャリアは具体的にやっと悩むことができる。最初に携わった仕事が必ずしも天職である必要はないのだから。

例えば両方を目指したいなら、最初の3年は都会で揉まれて、地方公務員を中途で狙うのはどうかな。ほら、紀宮さまとご婚約された黒田慶樹さんだって、転職して都庁に入っている。何も最初から一本に絞る必要はない。その方がメリハリがあって、人脈も経験もいろいろ創ることができて、結構面白いかもしれない。

新卒で入社する会社で、人生の全ては決まらない。

もちろん人生に多大なる影響を与える決断なので、安易には決められない。でも、まだ働いてもいないのに、人生を決める決断なんて、まだ早いことを理解して欲しい。



※Sさんにオススメ本は『iモード以前』。松永さんが就職先をリクルートに決める経緯は、是非読んで感じてみて欲しい。

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