大学生の就職活動/就職活動の選考対策

面接を突破する力 「愛嬌力」(3ページ目)

愛嬌力とは、柔和な表情や茶目っ気のある笑顔で人を惹きつける力。この力を持つ人は、豊富な人脈を持ちその支援によって仕事がうまくいくことが多い。仕事は一人じゃない。愛嬌力は人事が心から欲する魅力なのだ。

執筆者:見舘 好隆

愛嬌力がある人は、味方が多い

さて、以下のケース。誰に頼みごとをするかな?

ああしまった。来週、私用で授業に出られない。再来週の授業の前に、誰かに資料をコピーさせてもらって、先生から出される課題を教えてもらわなくちゃ。うーん、誰に頼もうかな(キョロキョロ)。まだ新学期で知らない人ばかりなんだよな。誰なら気軽に引き受けてくれるだろうか。

麻雀の話。麻雀は言うまでもなく4人でするもの。よって会社なら同僚2人と、プライベートなら友達2人と「やろう!やろう!」と盛り上がっても、あと2人誘わなくてはいけない。さて、誰から誘おうかな。誰なら来てくれるかな。

先輩の結婚式の披露宴。親しい後輩であるあなたは幹事を引き受ける。さて、司会や受付は誰に頼もうか。余興を誰にお願いしようか。誰なら喜んで引き受けてくれるだろうか。

さてみなさん、誰にお願いしますか? ここで登場する「誘いやすい人・お願いしやすい人・何とかしてくれる人」が、「愛嬌力」を持つ人なのです。

「愛嬌力」を持つ人には相談事が集まる。もちろん、いつもうまくいくとは限らないけど、相手を喜ばせる機会は遥かに他の人より多いことは確かだ。そして「愛嬌力」を持つ人は、人間関係をバランスよく調整できる力に秀でているのだから、うまくいくことも多いだろう。

結果、「愛嬌力」を持つ人にはたくさん「味方」ができるのだ。その味方は相談に乗ってくれたお礼の気持ちを忘れないし、何か機会があれば恩返しをしようと思っている。また、その味方が誰かに相談を受けて自分では応えきれそうにないなと思ったら、その人を「愛嬌力」を持つ人に紹介するだろう。ますます味方が増えていく。

仕事は決して一人で行うものではない。誰かの手助けが必要だ。誰かが助けてくれる機会が多ければ多いほど、仕事が成功する確率は高まる。面接も同じだ。一人で行うものではない。難しい質問に窮してしまった時、無愛想な学生ならそのままだ。でも愛嬌がある学生なら、その愛嬌にめんじて面接官が助け舟を出してくれるかもしれない。また、最終面接でどちらを通すか悩んだ時、間違いなく筆記が高得点だけど無愛想な学生より、筆記が悪くても愛嬌がある学生を採用する。なぜなら、筆記の点数より、愛嬌力のほうが、仕事の成果に直接反映することを人事は知っているからだ。

さらに愛嬌力は、面接以外でも強力な味方の支援を提供してくれる。例えば、あなたに合った会社の人事を紹介してくれるかもしれない。あなたが会いたい志望会社の知り合いを紹介してくれるかもしれない。面接に落ちてブルーな時に励ましてくれるだろうし、面接の練習にも付き合ってくれるだろう。普段から味方のサポートを受けている人がかなり有利であることは、言うまでもない。


※フリーの漫画家でさえも、愛嬌力は必須なのだ。
「仕事を円滑に進めるには、愛される人柄が絶対に必要なんですよ。(中略)フリーの最たる職業に思える漫画家でも、結局は人間関係が重要なんです。相手に嫌われないように仕事をする、相手を傷つける物言いをしない。海の上の孤島で仕事をするわけではないんですから、人間関係は大切だと思います。よく、「男は愛嬌」って言うんですよ。本当に仕事をするには、愛嬌は不可欠だと思いますね。」
(出典:ビジネスイノベーター(nikkeibp.jp)~"会社"に頼らない生き方を探れ!『仕事に不可欠なのは「愛嬌」~漫画家・弘兼憲史氏(その4)』)



次のページで、愛嬌力がなくて困っている人へのアドバイス!

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