キャリアミストからシンクロニシティへ
前頁の彼女の例を図に書くとこんな感じ。薄いブルーがかかったところを釧路公立大学・加藤一郎講師いわく「キャリアミスト」と呼ぶ。希望の人事の仕事が任されそうにない。思い切って辞めて大学院に行ったけど霧(mist)は晴れない。とりあえず手伝いで通販事業の立ち上げをやったが霧はまだ晴れない。そのままその会社で仕事をするつもりは無いので希望の人事の仕事を探すが見つからない(霧は晴れない)。追い詰められ、このままではどうしようもないので、人事にこだわることを辞める決意をし、通販のスキルを活用できる会社に転職。ところが意外にも通販マーケティングの仕事が意外に楽しかった。気がつくと人事への思いは消えていた。ようやく、霧は晴れた。
霧が晴れる出来事を「シンクロニシティ」と呼びます。「シンクロニシティ」とは「意味のある同時生起(コインシデンス)、意味をもつかのようにむすびあわされた偶然のパターン」(出典:『シンクロニシティ』F.David Peat)のこと。一言で言えば「意味ある偶然の出来事」。「シンクロニシティ」をキャリアにおいて使うなら、クランボルツ教授の「計画された偶発性理論」を思い出すとよい。つまり自分のキャリアに好影響を与える機会を自ら生み出す、もしくは生み出しやすい状態にしておき、機会を手に入れることを目指す。彼女は人事の仕事に就けない「追いつめられた状況」を逆手に取り、人事にこだわることを辞め、たまたま持っていた通販のスキルを使う選択をした。結果それで手に入れた職場や仕事が満足のいくものであったわけだ。これは単なる偶然ではない。計画された偶然だと言えよう。
なるほど、キャリアに霧がかかった状態「キャリアミスト」から、「シンクロニシティ」に出遭い、霧がスカッと晴れるプロセス。みなさんにとっては、なかなか内定が取れなかったり、入りたい会社が見つからなかったり、やりたい仕事が見い出せなくて悩んでいる状態こそ、「キャリアミスト」だよね。
さて、霧が晴れる「シンクロニシティ」にどうすれば出遭えるのでしょうか?
※次のページで、霧が晴れる出来事に出遭う方法を知る!