【楽しむコツ3】「分不相応」な大きな仕事にチャレンジする。
「楽しい仕事」にこだわるよりも、「仕事を楽しむ」ことにこだわるほうがよい。 |
就職活動も同じである。「絶対無理だ!」なんて思わず、行きたいと思う企業に是非チャレンジして欲しい。もちろん、先輩訪問など取るべきアクションを全てやり尽くさなければ、夢は叶わないけど。
【楽しむコツ4】「接点」をつくる、大切にする。
「六次の隔たり」というスタンレー・ミルグラムが1967年に行った有名な実験がある。この実験はアメリカ国民から二人づつの組を無作為に抽出し平均すると、6人の知り合いを介してその二人が繋がっていることを証明した。つまり、6人を介せば誰とでも会えるということである。この理論から、できるだけたくさんの人と接点を持つことが、自らの夢を叶えるヒントを得られるということがわかる。実際、私自身の今も、たくさんの人のフォロー無しに辿り着けなかった。もちろん、数だけ目指しても駄目だ。出会った人と信頼関係を構築しなければ、その人は君の夢を伝えてくれないのだから。就職活動も同じ。第一志望の企業の社員と会いたいけれど、大学の先輩に一人もいないから駄目だと諦めちゃ駄目だ。家族や親類はもちろん、友人、教員、就職課の職員、バイト先の先輩などなど、君が持っている全ての人脈からアプローチしてみよう。案外、お姉さんの彼がそうだったりするかもしれないぞ。
【楽しむコツ5】「壁打ち」する。
「壁打ち」とはすなわち、第三者に相談して意見をもらうことである。この作業は、自らのアイデアや意見をより磨くための必須の作業であり、広告代理店の社員は日常やっている作業だ(リクルートも良くやっていると聞く)。わかりやすい例を挙げれば、論文である。ゼミはもちろん、学会の研究会で自分の考えを披露して意見をもらい、その意見を反映させて初めて論文は仕上がるのだ。普段から「これで十分だ!」なんて思い込まず、実行するまでに何度も同僚や友人・知人にそのアイデアを披露しフィードバックをもらうことを、「自然に・普通に」できる人こそ、私は仕事ができる人だと思う。就職活動でも同じ。自分では傑作だと思った自己PRを、同級生はもちろん上級生、そして知り合いの社会人に披露し、コメントをもらって反映することを癖にしよう。
【楽しむコツ6】言い訳禁止である。
仕事で失敗しないことなんかありえない。必ず失敗したり、壁にぶつかることはあるだろう。その時に心掛けるべきことは、「言い訳しない」ことだ。もちろん不運もあるだろう。上司や同僚、取引先のミスが自分の失敗に繋がることもあるだろう。でもその時に他人のせいにするのか、自分のせいにするのかが、自らの成長への成否に繋がる。他人のせいにしては、君の成長はそこまでだ。でもその失敗を自分のせいにすれば、それを「失敗のケーススタディ」として、次に生かすことができる。これも就職活動と同じ。例えば面接に落ちたとしよう。落ちた原因を「面接官と相性が悪かった」「たまたま体調が悪かった」「意外な質問が来た」など、自分以外にしてしまうと、そこから何も学べなくなってしまう。逆に自分のせいにすれば「相性を凌駕するコミュニケーション力を身につけてやる!」「体調管理をしなくちゃ駄目だ!」「意外な質問が来ても切り返せる機転が必要だ!」など、自らを更に成長させるヒントになる。一つ一つは小さな気づきだけど、気づかず就職活動を進めて、結果内定ゼロでは困るのだ。苦しいし辛いけど、未熟な自分を省みることが肝要なのだ。
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以上、常見さんが教えてくれたメッセージをピックアップしてみた。『三年で会社を辞めたら損ですよ!』には、まだまだたくさんの、働いてからはもちろん、就職活動自体を楽しむヒントで一杯である。このヒントを元に、就職活動に苦しまず、是非楽しんでみて欲しい。就職活動を自らを成長させる機会と捉え、就職活動自体を楽しめた学生こそ、納得できる内定が取れるのではないかと、私は思う。
※常見さんは、新卒でリクルートに入社し、その後バンダイに転職、人事を担当している。よって、リクルートやバンダイを希望する学生にとっても、本書『三年で会社を辞めたら損ですよ!』は必読である。