大学生の就職活動/就職活動での内定から入社まで

内定取り消し・内定切りへの対処法(4ページ目)

内定を取り消されても、絶対に同意してはいけない。まず周囲の人や専用の窓口に相談すること。そして企業と交渉すること。最後に自らの将来のための、最高の選択肢を選ぶ努力をすることが大切なのだ。

執筆者:見舘 好隆

「内定取り消し」に必要な経済的理由とは?

内定取り消し
解雇するということは、それ相応の理由が必要なのだ。
「経営上の必要性に基づく理由」として、合理的であることを示すには、「整理解雇の4要件」を満たさなければならない。

  1. 人員削減の必要性
    会社が経営危機に陥っていて、人員整理の必要性があること。新卒者の内定取り消しでニュースになった日本綜合地所は、2009年2月5日に東京地方裁判所へ会社更生手続開始の申し立てを行った。※追記(2009/2/7)
     
  2. 解雇回避の努力
    希望退職者の募集や配置転換・出向など、解雇を回避するために相当な努力をしたにもかかわらず、解雇をする必要性があること。例えば経営陣の給料が高額のままだったら、先にその削減から着手すべきである。
     
  3. 整理基準と人選の合理性
    解雇される者の選定基準が客観的かつ合理的であり、その具体的適用も公平であること。「まだ働いていないから」だけでは、理由にならない。
     
  4. 解雇手続の妥当性
    対象労働者に対して、整理解雇の必要性やその内容(時期・規模・方法など)について十分説明し、誠意をもって協議したこと。内定取り消しの書面を通知するだけでは、当然十分話し合ったとは言い難い。


もちろん最終的には裁判所の判断になるが、基本的にはこの4要件すべてを検討した結果、客観的に妥当であることを示さなければ、不当解雇であり、内定取り消しは無効となるのだ。

というわけで、法律的に内定取り消しが適法となるケースは、ほとんど無い。よって厚生労働省は、「事業主は、採用内定を取り消さないものとする」と指導しているのである。

この点に関し、NPO労働相談センターの須田光照さんは指摘する。

「企業の人事が、法律を知らないわけはありません。顧問弁護士もいるはず。よって、通常、企業の人事は、法律に抵触しない形での、内定者を採用しない手法をとるのです。」

さて、企業の人事は一体どんな手法をとるのだろうか?


※次のページで、「内定取り消し」を違法としない企業の戦略とは?何かを学ぶ!
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