やりたい仕事ができる力を身につける環境を、要求すればいい
さて、今の私がタイムマシンで学生に戻ったら、何を会社に要求するかを書いてみる。「自分が将来やりたい仕事ができるようになれる、仕事を与えてくれ」
「自分が将来やりたい仕事がするために必要な、専門的知識や技術を教えてくれ」
「待遇は、まあ、最初は食えたらいいよ。その分、お金を払ってもできない経験を積ませてくれ。お金を払っても会えない人と会わせてくれ」
会社の要求することに対しては、こう考えてみる。
「責任ある仕事を与えてくれるなんて、幸せです。そこでさらに実力を身につけ、御社に貢献したい。そして将来やりたい仕事をやらせてください!」
「社会に貢献しているなんて素晴らしいことです。なぜなら私も、社会に貢献する喜びを感じられるのですから!」
「仕事の成果や業績を正当に評価できる会社だからこそ、仕事に意欲を持って働けるのですね!」
私はこの歳になってやっとこう考えることができる。みなさんにはちょっと難しいかな。でも、会社と学生の望むことのつまらないギャップで、面接に落とされたり、入社してから辛い思いをするくらいなら、現実を理解してギャップを埋めておき、まず自分が成長できる環境を求めればいいと、私は考えます。
いきなり自分の理想通りに働けるわけなんか無いんだから。
そして、働く前に考えた「やりたい仕事」が本当にそうなのか、わかんないんだから。
だからこそ、最初の会社の3年間は、自分の成長をメインに考えて、少々の理想とのずれは我慢して、流れに身を任せた方が良いと思うのです。
※「よいガマンとわるいガマン」に関しては、『働くひとのためのキャリア・デザイン』(著:金井壽宏)に詳しく載ってます。
※少々仕事が辛くても、給料が安くても、いきなり異動や転勤になっても、入社して間もない頃の方が、実は耐えやすい。なぜならば、身軽だから。いきなり北海道に転勤になっても、大したことじゃない。でも、結婚したり、子供ができたり、家のローンを組んだり、仕事にプライドを持ったりするとどうだろう。給料ダウンや異動・転勤にフットワーク軽く対応することは、かなり難しくなる。