フリーターのメリット?2「夢を追い続ける」
いつか行きたい場所がある。その場所に辿り着くには、一体どんな道があるのだろう。そしてどの道を選べばいいんだろう。 |
では、「リアルに夢を追っていない」フリーターとはどんなタイプだろう。
- 「きっと夢は叶う」と言いつつその夢に触れていない。
- その夢が叶うまで長く模索できる態勢を作っていない。
前述した女優やアーティストなど、すでに才能を持つ天才を除けばコツコツと下積みを続け才能を開花させなければ、本業にする(それで食っていく)ことはできない。とはいうものの、長く下積みを続けるのなら、日々の暮らしを支える仕事がなければ続かない。しかし、ここには問題があって、日々の暮らしを支えるアルバイトに時間を取られてしまうと、才能を磨く時間が取れなくなり、夢に近づけなくなってしまうことだ。よって、女優であれば急なオファーがあってもすぐに休みが取れたり、アーティストであれば個展前に長期間休みが取れたりするアルバイトでなければ、せっかくの夢が遠のいてしまう。また、家賃や食費を極力抑えたり、もしくは期間をある程度決めて親の補助を請いたりすることも一手だ。いずれにしてもしっかりとした「足場」を構築しなければ、夢は追えないことを理解すべきである。
つまり、その夢の仕事が本当に自分にとっての「天職」なのかを測っていないタイプだ。今までも何度も述べてきたが、「天職」かどうかはその仕事を「実際にやってみなければ」絶対にわからない。もしかしたら、「何となく面白そうだな」と思った手が届く目の前の仕事の方が、実はやってみると「天職」かもしれない。なのにずっと夢を追い続けるためにフリーターするなんて、非現実的だ。よって実際にその仕事に「触ってみる」ことが肝要。例えば夢の仕事をしている人と会って話を聞いたり(いわゆる「先輩訪問」)、体験教室やインターンシップで試してみたりなど、「触ってみる」ことは決して難しくないはずだ(宇宙飛行士など、試すことが難しい仕事もあるけどね)。
その夢が叶う可能性を精査していない。
その夢の仕事に到達するのに、どのようなキャリアパス(経路や手段)があって、時間的・予算的にどのくらいかかるのかを精査しなければ、その夢が「絵に描いた餅」なのか、「手が届く」のかが解らない。特にキャリアパスに関して言えば、いきなりは無理でも、まずはこの仕事についてスキルや知識を見つけてから目指した方が近いなら、一旦その仕事をする社員になれば良い。何も異業種のフリーターをする必要ないし、かえって遠回りしていたら目も当てられない。棋士など年齢制限があったり、私が持っているキャリアカウンセラーの資格は、キャリア関連実務経験(人事など)が大卒で2年以上必要だったりと、仕事によっては前提条件があったりする。だからこそ、夢を描いたなら、その夢に近づくあらゆる手段に時間を投じるべきであり、その近づく手段そのものが収入源になれば、いう事は無い。
※棋士の年齢制限:満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会となる。ただし、最後にあたる三段リーグで勝ち越しすれば、次回のリーグに参加することができる(但し満29歳のリーグ終了時で退会)。ただし、瀬川晶司さんのように、年齢制限を超えていても、特別にプロ編入試験を突破した例もある。
「リアルに夢を追う」フリーターでなければ、「夢を追う」ことを理由にフリーターを選ぶべきではない。まずは「足場」を固めるために社員で働くことを検討しよう。「起業・独立開業」ガイドの藤井さんも、独立・起業も会社を辞めて一か八かの勝負するより、働きながらプライベートの時間に独立・起業の準備をする方が、実際夢に辿り着ける可能性が高いと指摘している。
意味ある「遠回り」を、今一度考えてみるべきと私は思う。
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