「就職と就職部」について考える
「42大学220学部の就職力」(『AERA』03/8/11号)で、各大学の就職部の「学生の進路把握率」がクローズアップされました。津田塾・東京電機・中部大学が100%で、逆に上智が64%、成城が72%と低調。日本大学に至っては不明でした。「進路把握率」の高さはイコール就職部の熱心さを表す指標に他なりません。現在、大学は少子化・国立大法人化によるサバイバルゲームを迎えています。つまり、「就職力」を上げなくては、受験者・入学者が定員割れしてしまい、生き残れない時代になってきたのです。
というわけで、就職部に対し、もっと学生は期待してもいいでしょう(もちろん大学にもよるけれど)。なぜなら、学生への就職支援が就職部の仕事なのですから。1、2年生も含めてね。
例えば、「できる就職部」(『AERA』03/7/14号)として、立命館大学・立教大学・京都産業大学が紹介されていました。特に立教大学と立命館大学は、就職部を「キャリアセンター」に改称、立教大学は1、2年生を対象に「仕事と人生」という講義を実施するなど、大学3年生だけでなく、大学生全員に向けて、インターンシップや講義を通し、多様な働き方を提示し、学生自身が進路を選ぶプランを実施しています。
ここでポイントは、「多様な働き方を提示し、学生自身が進路を選ぶ」です。
大学3、4年生なら、時間がない分ある程度志望業種や会社を絞らなくてはいけない段階。でも大学1、2年生なら、まだ時間がある。よって、
- 「やりたいことをみつけるための、やりたいことの選択肢を増やす」
このアクションがもっとも大切なのです。なぜならば、
- 「選択肢を増やして選ばなければ、本当にそれがやりたいことかわからないから」
- 「選択肢を絞る際に、2つから1つに絞るのと、10つから1つに絞るのとでは、自分への説得力が格段に違うから」
よって、現段階において就職部を活用するポイントは、
- 「選択肢を増やす機会を得る」
ことなのです。
- 「出版社へ入社した先輩を紹介してください」
- 「インターンシップで、面白いと評判のところ教えてください」
- 「夏のアルバイトで、面白いと評判のところ教えてください」
- 「参加しておいたほうがいい、無料のセミナーはないですか?」
- 「就職活動に役立つ経験って何ですか?具体的に教えて?」
- 「就職に役立つ究極の本を教えてください」
とにかく、「学校は勿論ガイダンス以外、何もしてくれない」なんて思っちゃいけない。
「何かしてくれるの待つこと」より、「自ら働きかけて機会を得ること」に、意味があるのです。
※参考記事:「就職活動は以下の5つのプロセスをコツコツと踏めばいい!」も読むべし!
※次のページで、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」を考える。