休日だからこそ、いつも違う知見が手に入るんです。
ちなみに同行してくれたAll AboutプロデューサーTは、帰宅後指輪はずしたとたん、休日モードに変わるそうです。もちろん、その生き方もアリです。仕事(学生の場合は就職活動)に全力投球する人ならば。 |
野坂さんは、休日でさえも、仕事と切り離したりはしない。
「映画を観る時にでも、『何かビジネスに使えないかな?』と考えています。先日観た『チャーリーとチョコレート工場』でもたくさんGETしました。あと、できるだけジャンルの違う会社の社長と会うようにしています。例えばリフォーム会社なら現場で出る廃棄物、マンション販売会社なら引越しの時に出る大型ゴミ、EC会社なら不良在庫など、たくさんビジネスのネタをくれる。あと、外食する時(野坂さんはお酒を飲まない)も、出来るだけ同じ店に行かないようにしている。そして特にそのお店のサービス面をチェックする。例えばトイレとか、接客とかね。」
できるだけ、未知のものに触れる努力、そしてそこから知見を得ることを心掛けている野坂さんのスタイルは、そのまま大学生のみなさんも活用できる。
「アブダクションにおいて重要なのは、推論的で創造的な言語です。その基点は、観察によって得られたアイデアの原型、すなわち五感による記憶や、心的イメージ、内なる思い、などです。それらをもとに、例えば『もしこうだとすれば、こうなる』といった発展的な問い、あるいは消費者や顧客の『声』(になりきって)で『こうなりたい、こうしたい』といった発想をすることだといえます。」(出典:『知識創造の方法論―ナレッジワーカーの作法』野中郁次郎/紺野登)※アブダクション…新しい状況に仮説を設定し、これまで得た知見(メタファー・暗喩)を適用して説明すること。結果→仮説→事例。
新しいことが起こったとき、「ふーん」「へえ」と流すより、「きっとこれはこれが原因だ。それはこのケースに似ているぞ!」と考えるのと、どちらがいいか考えてみるとわかる。前者は記憶に残らないし、ビジネスともくっつかない。でも後者なら、記憶に格納されるし、あとあとビジネスを考える「手掛かり」としていつでも使える状態になる。
就職活動中のみなさんなら、はたと思い当たる節があるだろう。面接で想定外の質問を元に自己PRしなくちゃいけない時、全く想定しないテーマでグループワークやグループディスカッションを行う時、筆記試験で小論文を書かなくてはいけない時。この「アブダクション」を普段しておけば、自分が伝えたいことを裏付ける「メタファー」をどんどん引っ張り出すことが出来る。そしてそのメタファーこそ、休日を使って貯めこんでおかなければ、日常生活ではなかなか手に入らない。そしてそれは、本を読むより、機会を得ることでよりたくさん手に入るのだ。
行ったことがない場所、会った事のない人、食べたことが無い食べ物など、いわゆる「出不精」「人見知り」「食わず嫌い」な人は、少なからずいる。私も実は「人見知り」だった。でも、大学生になったとき、この「人見知り」を直そうと、演劇部に入った。その日から、治った気がする。そして「人見知り」が治った日から、世界が広がった。
どうせなら楽しい就職活動をしたいよね。だったら少しは選択肢を、拡げておこうよ。面接で困らないように、話のネタ、拾っておこうよ。
※次のページで、「限界に挑戦することで、手に入れられるものがある」ことを学ぶ。
※参考記事も読んでね!「面接を盛り上げるコツ『おまけ』」