ところが、である。フリーターを安価な使い捨て人材として使う会社ばかりではない。ちゃんとフリーター経験を評価し、活用している会社も探せばあるのだ。
例えば、「ギャップジャパン株式会社」。
この会社の新卒採用の欄を見て欲しい。まずは「セールス・アソシエイト(販売スタッフ)」として契約社員(パートタイム・フルタイム)で働くことがステップとして定義されている。つまり、まずアルバイトとしてカスタマーサービストレーニングを受け、フロアでの経験を積み、社内審査を経て正社員として採用されるのだ。学生サイドも大学生時代に「GAPで働くことを試すこと」ができ、GAPサイドも即戦力をトレーニング無しに採用できる。お互いにメリットがある制度と言えよう。インターンシップの進化版だ。
例えば、「株式会社ワンダーテーブル」。
従業員の種類はF(フルタイム)社員とA(アルバイト)社員の二つ。F社員・A社員と呼ぶことから、アルバイトを蔑視していないことがわかる。さらにA社員にも社会保険・残業手当・有給があり、3ヶ月毎(1月、4月、7月、11月各下旬)に一度評価が行われ、昇給するチャンスも与えられている。もちろん希望し審査をパスすればA社員からF社員への移行もある。新卒採用はF社員での採用となっているが、ワンダーテーブルに入社したいなら、学生のうちにA社員になって経験を積んでおいたほうがいいに違いないだろう。
3年以内で30%の新卒入社社員が退職する昨今、世の中こんな会社ばかりだと学生も会社もハッピーだと思う。だってとことん大学生時代に助走期間を作ることができて、やってみて面白ければ社員への道を探り、勝ち取る。非常にシンプルでハズレがない就職活動だ。
「やりたいことって何だ?」と悩むぐらいなら、使い捨てのアルバイトではなく、正社員への道があるアルバイトをしてみると、何かが見えてくるような気がするが、どうだろうか?
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※東京ディズニーリゾート CASTING CENTERではアルバイトのことを“キャスト”と呼ぶ。正式な待遇名は「準社員」。アルバイトの誇り、そしてアルバイトへの配慮が感じられる。尚、準社員から契約社員、契約社員から正社員への登用制度あり。
※次のページで、卒業してからもフリーターで、やりたいことを探すのは、非効率的であることを知る!