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労働基準法:残業したら時給は割増になる?(2ページ目)

時間外労働と割増賃金のしくみについてくわしく解説します。今回のキーワードは、「法定労働時間と所定労働時間」です。また、派遣で働くうえで知っておきたい法律のポイントもたくさん紹介します。

執筆者:加藤 由紀子

法定労働時間と所定労働時間の違いがわかれば割増になる基準もすぐに理解できます。

割り増しになる基準


割増賃金の支払い義務があるのは、法定労働時間を超えて働いた時点からとなっています。つまり、1日8時間(1週では40時間)を超えて働いた所から割増賃金が計算されます。(変形労働時間など特殊な場合を除く)

◆この場合、就業時間の9:00~17:00の8時間から、休憩60分を除いた7時間が所定労働時間となります。そこに、1時間の時間外労働を足しても、法定労働時間の8時間を超えない為、派遣会社に割増賃金の支払い義務はないということになります。(法定内残業といいます。)

もちろん、派遣会社の就業規則で、所定の労働時間を超えた所から割増の計算をするなど、労働者にとって有利に定めることもできます。でも、多くの派遣会社では、労働基準法どおり、法定労働時間を超えた所から割り増した残業手当を支払っているようです。

友人:そっか、1日8時間以上、1週40時間以上から割増になるのか。

ところで、派遣労働者に法定労働時間を超えて働いてもらうためには、派遣会社で、以下の取り決めがされていなければなりません。

■派遣会社の就業規則に時間外労働に関する定めがあること。 また、契約書や就業条件明示書にも、時間外労働について具体的に明記されていること。

■時間外労働に関して、派遣会社と派遣会社の労働者の過半数を代表する者との間に「時間外・休日労働に関する協定」(36協定)が結ばれていて、それが労働基準監督署に届け出されていること。 (36協定では、1日及び1日を越える一定の期間についての時間外労働の上限などが定められています。)

気になった人は一度、派遣会社の就業規則を確認してみましょう。どこに就業規則があるかわからなくても、使用者には就業規則を従業員に周知させる義務がありますので、派遣会社に問い合わせれば何らかの方法で対応してくれると思います。


割増率と、残業の上限時間は?


■8時間を超えて働いた場合は、25%以上の割増率で時間給が支払われます。時間給が1,500円なら1,875円以上となります。

■また、22時以降に深夜労働をした場合も25%以上の割増率で深夜手当が支払われます。つまり、8時間を超えて働き、さらに22時以降なら、合わせて50%以上の割増率の時間給となります。その場合、時間給が1,500円なら2,250円以上となります。


そして、時間外労働にも以下のような限度の基準が設けられています。(原則、36協定はこの限度を超えない範囲で一定の期間の時間外労働の上限が定められていなければなりません。)

1週間15時間まで
2週間27時間まで
4週間43時間まで
1箇月45時間まで
2箇月81時間まで
3箇月120時間まで
1年360時間まで

残業の多い派遣先で勤務されている人は、今一度勤務状況を見直して、無理のしすぎや健康には十分ご留意くださいね。





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