こちらは2006年時点の記事です
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残業時間と残業代割増、計算の基本ルールを解説

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労働時間のしくみを理解しておけば、時間外労働の疑問が解決できます。
いよいよ12月、なんとなく気忙しくていつもの仕事がなかなか片付かない、そんな季節になってきました。 残業のある契約で働く派遣のみなさんは、これから少しずつ残業の機会も増えてくるのではないでしょうか?

また、12月といえば、ボーナスの季節です。ほとんどの派遣会社ではボーナスが支給されません。派遣で働いていると、この時期が一番寂しく感じる季節ですよね。近頃では、長期継続勤務者にミニボーナスや報奨金制度を採用している派遣会社も少数ながらあります。もちろん正社員並みのボーナスとまでは到底届きませんが、こんな制度がもっと広がれば派遣社員の労働条件の向上にもつながるのではないでしょうか。

実は、労働基準法では、賞与の支払について義務とは定めていません。それがボーナスが支給されない理由です。でも、時間外手当や割増賃金の支払は義務付けられています。派遣スタッフが残業で働いたら、派遣会社にはその分の賃金を支払う義務があります。

そこで今回は、時間外労働と割増賃金のしくみについて詳しく説明します。必要な時に内容の確認ができるようにも、給料明細書やタイムシート等の写し、契約書類などは日ごろからきっちり管理しておきましょう。



残業したのに時給が割増になっていないのはどうして?


派遣で働く友人からこんな内容の質問を受けました。

友人:時給1,500円、就業時間が9:00~17:00(休憩は60分)っていう条件で働いてて、毎日18:00まで1時間だけ残業をしてるんだけど・・・・・・ 残業手当はいつもと同じ時給の1,500円しか支給されてなくて・・・・・・ 確か、残業をしたら割り増しになるって聞いてたと思うんだけど、どうして割り増しにならないの? これって違法?

◆みなさんはこんな素朴な疑問を持ったことがありませんか?
実は、この場合違法ではありません。時間外労働をしたからといって、即時給が割り増しになる訳ではないのです。

友人:えー、そうなの? どうして? (少し残念そう)


法定労働時間と所定労働時間


賃金が割り増しになるかならないかを判断する場合、法定労働時間と所定労働時間という、2つの労働時間の概念を知っておくことがポイントです。

■法定労働時間:労働基準法によって定められた労働時間の上限。使用者は休憩時間を除き、1週においては原則40時間、1日については8時間を超えて労働者を働かせてはいけません。

■所定労働時間:法定労働時間の範囲内で使用者が決められる労働者の労働時間。派遣社員の労働条件は、派遣先によって異なるため、派遣元の就業規則のほか、雇用契約書、就業条件明示書などで個別に決められることとなります。

ちなみに、就業規則とは労働条件(労働者の賃金、就業時間、休日など)や服務規律(社内の風紀や秩序など)等を定めた規則です。常時10人以上の労働者を使用する使用者に作成と労働基準監督署への届出が義務付けられています。派遣で働く場合は、派遣会社の就業規則が適用されます。とはいえ、派遣会社の就業規則では、派遣先の、就業に関する規定や秩序なども尊重し誠実に勤務するように定めている場合がほとんどで、派遣先の就業規則(職務規律)が無関係という訳ではないのです。


友人:それで、割り増しになる基準は?

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