契約期間前に、仕事をやめてしまうとどうなる?
翌日の始業時間になっても、コノミさんは現れませんでした。昨日と同様に、始業時間を過ぎてから社員宛に『痛みが治まらないので、休みます。申し訳ありません。』とメールが入りました。たまりかねたコノミさんの上司は、派遣会社に連絡し解決策を求めました。結局、コノミさんは、翌日も出社しないまま、とうとう来なくなってしまいました。コノミさんのポジションには、急いで探した新しい派遣社員が数日後にやってきました。実はこの話、ガイドが目の当たりにした事を元にしています。ここまでのケースは珍しいかもしれませんが、時々耳にすることがあります。
このように、派遣会社にも連絡せずに契約期間を満了する前に行為は、契約違反になります。法的には派遣会社に対して罰金や保証金を支払う必要はありません。ただ、今後仕事を紹介されなくなるどころか、登録取消しになってしまう可能性もあります。
コノミさんは、なぜ、会社に来なくなったのでしょう。もしかすると1週間で「この会社や仕事は希望と違う」と感じたのかもしれませんね。派遣先を決める際には仕事内容など、事前に仕事をある程度納得しておくことが前提条件です。万が一、違うと感じたとしても、また、少なくとも契約期間中は就業先で仕事をするという「契約」をしたのですから、それを履行する義務があります。最初の契約期間は大抵の場合1ヶ月です。その間に本当に違うのかどうかを見極めることができますね。
では、「希望と違う」という感情面の相違ではなくて、契約内容と違う仕事をするようにいわたらどうなるのでしょうか。労働基準法の第15条によれば、「規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる」そうです。就業条件明細書に明示されている、賃金、労働時間その他の労働条件もしっかりチェックしておき、相違があった場合は、派遣会社の担当者に相談しましょう。企業との交渉は派遣会社が担当します。
就業条件は特に問題なくても、何かしらの事情により契約期間満了を待たずに就業を終了したいと思うこともあるかもしれません。その場合はどうしたらよいのでしょうか。次のページでみてみましょう。