正社員になれない場合もあるの?
契約終了時に、双方の意思に基づき直接雇用されることになりますが、直接雇用には正社員だけではなく契約社員やアルバイトなども含まれます。同じ直接雇用でも、正社員と契約社員では、待遇や給与等も差が有る場合があります。紹介を受けた時はもちろん、契約終了時にも再度確認しましょう。諸条件は納得のいくよう派遣会社を通して交渉します。
また、自分から直接契約を辞退することもあり得ますし、企業側から見送りを伝えられることもあります。紹介予定派遣=確実な正社員雇用ではないことを、理解しておきましょう。
■メリット
- 派遣期間終了時に意志の確認があり、その時点で直接雇用を受けるか意思決定することができる
- 直接雇用を受けるまでの交渉は派遣会社を通じて行うことができる
■デメリット
- 企業から直接雇用を見送られる場合がある
- その場合、派遣社員として同一の会社での仕事を継続することができない
- 直接雇用の内容が正社員とは限らず、契約社員や、アルバイト扱いとなる場合もある
で、結局頼りになるの?
個人のスキルや希望を把握して、同時に企業の雰囲気や求めるスキルを把握している派遣会社の「紹介予定派遣」は大いに頼りにしたいところです。
企業規模を問わず取り入れられている紹介予定派遣ですが、特に派遣社員を正社員にすると政府から助成金が支給される中小企業において今後も積極的に取り入れられると予測されています。そうなれば雇用機会の可能性も広がります。
ただ、「自分が納得のいく企業で、長期的に仕事がしたいので最終的には直接雇用をめざしたい」と考える人は、紹介予定派遣で探しながらも、希望の企業等への直接応募での就職活動も検討してみてはいかがでしょうか。正社員(契約社員)になると、派遣社員とは異なる大きな責任やそれに伴うストレスなどと向き合うことが増えるかもしれません。年俸制の場合、残業代がなくなって、時給換算すると結果的に派遣社員よりも少なくなってしまう可能性だってあるのです。その段になった時、自ら探し出した仕事は最も希望に近い仕事だったから、と自分の選択を納得させる理由ができるかもしれません。
もちろん、紹介予定派遣の求人の中に、今まで気づかなかったけど、興味を持てる仕事はあるでしょう。その場合は、まず、諸条件の概要を紹介時点で確認し納得してから先に進め、仕事面は派遣社員期間中に見極めましょう。そうすることで、「こんなはずではなかった…」と後悔するリスクは大幅に軽減できます。ただし、前述の通り、最終的に必ずしも採用されるとは限らないことと、採用されたとしても必ずしも正社員ではないというデメリットは頭に入れておく必要はあります。それでも、先の東京都の調査によれば、採用された内の75.5%が正社員での雇用だったとのことですから心配しすぎる必要はなさそうですね。
紹介予定派遣で直接雇用のチャンスをつかむ時に一番頼りになるのは「もしも採用されなかったら…」と心配せずに、頑張って直接雇用を目指したいという積極的な姿勢とスキルをアピールすることに注力する事かもしれませんね。派遣会社に助けを借りつつ、ぜひ納得のいく選択をして頂きたいと思います。
■関連情報
紹介予定派遣とは?(All About)
派遣労働者実態調査結果の概況(平成17年)(厚生労働省)