派遣先での社内メールの敬語の使い方のコツは「同じ目線でへりくだる」
今回は、特に派遣先でのビジネスメールでの敬語の使い方をいくつか取り上げてみます。
派遣先の社内メールの書き方はこれでいい?
新卒派遣で働き始めたAさんは、上司のB課長から「来週月曜日9時から販促会議を開くから、課内の人にメールで連絡してもらえる? さっきAさんが作ってくれた資料を添付して、各自印刷するように伝えてね」と依頼されて、次のように送りました。
件名:ご連絡
各位殿
お世話になっております。以下をご拝読下さい。
○月×日の月曜日 9時に第3会議室で販促会議があります。各自添付ファイルを印刷して持参するよう部長が仰っています。よろしくお願い致します。
派遣先の社内メールを書く前に、ビジネスメールの基本を押さえる
社外宛に郵送する書状には、定型の文章があります。例えば、書き出しの「拝啓 新緑の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」などがよく見られますが、この文章は初めて目にすると難しそうに見えても、Microsoft Wordの挨拶文挿入ツールなどを活用することで、不安なく作成することができます。ビジネスメールについては、こうでなければならないという型は決まってはないようです。特に社内メールは各社で傾向も異なりますが、ビジネスメールとして押さえておきたい基本的な要素はいくつかあります。
社内メールを作成する際の構成要素は、件名、宛名、本文の三つです。本文はさらに書き出し部分、本題、結びに分けられます。
■件名
Aさんのように「ご連絡」としたのでは内容がわかりません。「○月×日の販促会議について」など具体的な内容を簡潔に書きましょう。
■宛名
文章の宛先数が多い場合、すべての宛名を書くのではなく「各位」で代用することがありますが、その場合「殿」は不要です。「各位」の前に「○○課」などを組み合わせることは可能です。
■本文
<書き出し部分>
Aさんは派遣社員ですから社員の方とは別の雇用形態ですが、社内メールで「お世話になります」という挨拶は少し違和感があります。一般的には「おはようございます」や「お疲れ様です」などを使います。
「ご苦労様です」は目上の立場から下の立場の人に向けた言い方ですので使わないようにしましょう。会社によっては挨拶なしで本文に入るところもあるようです。
文章全体を通じて雇用形態は気にせず、社内の人から社内の人へ向けて同じ目線で発信することを念頭に置いてください。ただし、目上の人に対して発信する文章を作るための敬語を使用します。
Aさんが使用した「ご拝読」は、「読む」の謙譲語ですからこの場合は不適切です。あなたのメールを読みましたという意味で「メール拝読致しました」のように使います。
<本題>
本題の内容は文章ではなく、5W1Hの中から必要事項を選択し、箇条書きで簡潔に明記し、内容を理解しやすくします。
・What 概要
・When 年月日及び時間等
・Where 場所
・Why 理由
・Who 対象者
・How 方法等
<結び>
連絡事項の場合には「以上」を使用。お願いごとの場合には「よろしくお願い致します」など、内容に合わせて選びましょう。
また、最後に発信者を明記しておくとよいでしょう。メールツールで社内向けの署名を、あらかじめ作成しておくと手間が省けます。
ビジネスメールの基本を押さえた社内メール例
では、ビジネスメールの基本を押さえたAさんが書き直したメールを見てみましょう。件名:一課販促会議の開催日時の件
一課各位
一課販促会議について下記の通りご連絡いたします。
記
日時:○月×日 月曜日 午前9時
場所:第3会議室
以上
なお、お手数ですが添付ファイルhansoku.docを各自印刷下さいますようお願い致します。
一課
A山 A子
いかがですか? これは一例なので、基本を押さえつつ他の人の社内メールなどを参考にしながら、自分なりの社内メールにカスタマイズして下さいね。
社内メールであっても送信前に誤字脱字がないか、一度読み返してから送ることを習慣づけることをお勧めします。
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