『モノの流れ』と『お金の流れ』は違う!
でも、前のページのようになることは、現実には無いことのほうが多いのです。その原因は、『タイミングの違い』にあります。『利益』は、売上などの「収益」から仕入その他の「費用」を差し引いて計算しますが、これら「収益」や「費用」は、「発生主義に基づく実現主義」、「発生主義」そして「費用収益対応の原則」といった決まりによって、計上のタイミングが決められています(「費用」については、こちらもご参照ください)。
小難しい言葉がいくつか出て来ましたが、簡単にまとめて言ってしまえば、一般的に『利益』は商品などの『モノの流れ』に基づいて計上されることが多いということです。
先ほどの例で言えば、出金や入金は関係なしに、
- 「100円のものを仕入れる」時点で帳簿に「仕入」を計上し
(仕入先からうちの会社に商品が移動する)、 - 「得意先に商品150円を売って商品を渡したとき」に「売上」を計上します
(うちの会社から得意先に商品が移動する)。
つまり、『利益』の計算にあたっては、『お金』があるかどうかなんて関係ないのです!
ですから『利益の額』は、そのまま会社にある『お金の額』を表していない、ということになります。
タイミングのズレが大きいほど『利益』と『お金』もズレていく
売上に対する入金を遅らせる、ということは、実はかなりのリスクを伴うことなのです。 と、いうことは、逆のパターンであれば……? |
商品を渡したときに、先に「収益」を計上しているのに、その「収益」に対応する「お金」の入金が後にズレてしまうと、そのズレている間については、「収益」と「お金」が対応することはありません。