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さよなら、現金(3) -経費精算も活用!-(2ページ目)

前回までの記事で、会社の現金を扱うことの「危険性」、そしてその「危険性」を克服するために「預金取引」を活用することをご紹介しました。今回は、もうひとつのポイントをご紹介していきます!

執筆者:森 康博

「経費精算」を見直そう!


実際のところ「理想の経費精算」は会社ごとに違うかと思います。ただ、「現金を扱うことの弊害」をより少なくすることを念頭に置いた場合、その「正解」はいずれのチェックポイントも「一番上の答え」となります。

あなたの会社はチェックしてみて、いかがだったでしょうか?では、それぞれのポイントについて解説していきます。

●「月に1回、一定の日」

その都度経費精算すると、それだけ現金に触れる回数が増えますからミス等の危険も増えてしまいます。出来れば月に1回程度、期間を区切って(たとえば、1月分を「15日締め、25日払い」とする等)処理したほうが良いでしょう。

●「預金で振込み」

これは、言わずもがな。「支払いは預金取引に集約」ということです。預金振込みがベストです。
また、経費精算の〆日を給与計算の〆日とそろえて、給与と共に経費を支払うようにすれば、支払い業務も簡略化でき、振込手数料も節約できます。
ちなみに、「仮払金」として先払いするのは、出来れば避けたほうが良いでしょう。税務上「仮払金」というのは特にその取り扱いに気をつけないといけない勘定科目の1つだからです。
経費精算書
経費精算書にくふうを加えることで、会社全体にプラス効果をもたらすことも!


●「社員それぞれに勘定科目ごとに金額を集計してもらい、内容を経理でチェック」「勘定科目ごとにまとめて、社員ごとに仕訳を切る」

「経費精算」に登場する勘定科目の数は、実際数えてみると思ったより多くありません。「旅費交通費」「事務消耗品費」「会議費」その他あと数科目ではないでしょうか。
少ない科目数ですから、表計算ソフトなどで「経費精算表」などを作って予め社員の方々に配布し、勘定科目も含めて記載・提出してもらうようにしてはいかがでしょう?フォームに計算式を追加し、勘定科目ごとに金額を集計できるようにすれば、さらにカンペキです。
社員の方々は「自分がいくらの経費を使ったか」が自分で把握できるようになります(もちろん、会社でも個人別のコスト管理が出来る)し、経理がその内容をチェックし、社員の方々にアドバイスすることにより、社員が自ら「勘定科目」を意識するようになり、その意味を自分なりに把握することが出来るようになってくるでしょう(接待のタクシー代は、「旅費交通費」ではなく、「交際費」となる、など)。「コスト感覚」のある社員が多くなれば、それだけ会社にも更に貢献してくれるはずです。
また、経理としても科目ごとに金額が集計されていれば、会計ソフトへの入力もそれだけ簡単に出来るようになるということ。

社員のスキルアップにも貢献し、経理処理も効率化できる、一石二鳥の方法なのです。

●「経費精算のお金は、経理から支払う」

仮に経費精算のお金を現金で支払う場合でも、必ず経理を通して支払うことにしましょう。社員が勝手に現金に触れることが出来る状況は良くありません。
現金に触れる人を少人数に限定し、明確にすることにより不正が起こりにくい状況を作り出していくのがポイントです。

これで、「現金があることの弊害を抑えた会計の仕組み作り」は一区切りです。最後に、「まとめ」をどうぞ。
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