今回はその3回目。「決算を楽に終わらせる」ために「月次決算」をやってみよう!ということで、その具体的な方法等をご紹介していきます。
「月次決算」のメリット
「決算を楽に終わらせるために、月次決算をする」と聞くと、腑に落ちない方もいらっしゃるかもしれませんね。年1回の決算でも大変だというのに、それを12回も繰りかえさないといけない、と考えたら、気が重くなるのも仕方がないことかもしれません。
でも、期末に行う「本決算」と、毎月行う「月次決算」はその内容が違いますし、何より「月次決算」は行うだけのメリットがあります。
■ 「月次決算」のメリット
● 期中に会社の状況が分かる
「月次決算」は、毎月決算数値を把握しますから、「どれくらい儲かっているか」とか「資金は足りているか」等の状況を比較的タイムリーに把握することが出来ます。
「お金が足りなくなりそうだ!」と分かれば、それに合わせた対策を早く打つことが出来るというわけです。
また、月次決算額に決算までの見積もりを追加すれば、それはそのまま決算の予算額となります。これを基に、決算対策を打つことが出来ます。
● 節税対策や納税対策が出来る
「決算になって納税額が多くて途方に暮れる」「黒字と思って税制の優遇を受けられると思って投資したが、赤字決算となった」 月次決算をするようになれば、このような問題とはもうおサラバです! |
月次決算で月々の損益を見ていけば、本決算でどの程度法人税や消費税の負担をする必要があるかが見えてきます。税負担が大きくなる見込みであれば、税務上の特典を受けられるかどうか等を検討し、効果的に節税対策を打つことが出来ます。
また、節税後、納税することになったとしても、期中から「どれくらいの金額が必要か」を見積もれていれば、借入れ等をスムーズに受けることが出来ます。
● 決算が楽に、しかも早くなる
月次決算を期中にやっていれば、本決算を楽に、早くすることが出来ます。1年分を一気にやるよりも、12分割して行っておいたほうが決算が楽で早いことは、想像に難くないことではないでしょうか。
また、月々で納税等の問題も把握して対策を打てているはずですから、決算期に慌てて資金繰りや決算対策をする、といった無理をしないで済むことになります。
● 会社の経営により役立つ資料が出来る
会社の職種によって異なるかと思いますが、会計期間が1年間もあれば、会社の資金状況や経営成績が「いつでもずーっと同じ」ということはあまり無いはずです。たいやき屋は冬のほうが売上げが大きいでしょうし、引越し屋は新生活の始まる3月・4月に売上げが伸びるでしょう。
1年に1回の決算では、そうした会社の特性は掴めないかもしれませんが、毎月決算をしていれば、その月ごとの特性を把握することが容易に出来るはずです。月次で決算データを積み重ねていけば、その特性を読み取ることが出来る、その会社オリジナルの経営資料が出来るというわけです。