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現金取引を減らしたい(1)立替制の問題点

現金取引を減らすために、社員との精算を現金で行わず、期日を決めて振込で精算している会社も多いです。でも問題ないの?経理の仕事ガイドの森先生に、経費精算に関するギモンのアレコレ、聞いてきました。

執筆者:平井 実穂子

「現金」とサヨナラしたい…でも問題も

お金が合わなかったり、小銭が足りなかったり、会社の「現金」を扱う上での悩みは尽きません。
全くナシにするのは難しくても、出金件数が減ったり、急な出金がなくなればずいぶん楽です。

現金が必要になるシーンはいろいろですが、ひとつに、社員の経費の精算があります。
出張が決まった、取引先を接待する、などなど、急な出金依頼にあわてることも…。

そんな社員との精算を、現金で行わず、期日を決めて振込で精算している会社も多いです。
しくみ作りが上手くいけば、現金取引を減らすことができます。でも問題もあるのでは…。

なので今回は、シリーズ「さよなら、現金」で、現金のコワさや経費精算のしくみづくりについて書いていらっしゃる、経理の仕事ガイドで税理士の森先生に、経費精算に関するギモンのアレコレ、聞いてきました。

<CONTENTS>


Q1
経費を社員に立て替えさせるのはOK?


「出張する社員にはあらかじめ仮払いとして概算を渡し、あとで精算してもらいますが、仮払いは現金で求められることが多く、戻りも現金。これがなくなればずいぶん楽です。
でも、仮払いをやめて、経費を社員に立替させるというのは、そもそもやっていい事なのでしょうか?」

森先生
経費を社員に立て替えさせるのは問題ないと思います。但し、あまりに高額なものを、長期間にわたって立て替えさせるのは問題だと思いますが(それだと、もはや「立替」でなく「借入れ」になってしまいます)。

平井
仮払いしてしまうと、なかなか精算してくれないという経験もありますし(特にお金を会社に返さなければいけない時/笑)、仮払いナシで済めば、小口現金締めの手間も一度で済むし嬉しいですが…。自分の買い物しすぎて今月ピンチ!というのならともかく、出張の交通費やホテル代を立替てお金がない!というのは、カワイソウというか、経理が社員から文句を言われそう…。

森先生

まず、経理のほうで先回りしてなるべく経費精算の金額や取引数を少なくするようにしてから導入することが、スムーズにいくコツです。

「事務用品の購入」「切手や印紙の購入」等、何もその人に任せなくても良いような出費はありませんか?事務用品や切手、印紙等、会社で一括購入できるものは、出来るだけ会社で購入する決まりにすれば、経費精算の額も圧縮できます。出張費等も予め会社でチケットの手配をして渡すようにしましょう。
また、「3万円以上の支払いや物品購入をする場合は、予め担当部署の責任者や経理の承認を受けて、支払いは経理が行う」などと決めれば、経費精算へのシワ寄せとなる機会がなくなるでしょう。
そうすると大体が「旅費交通費」や「会議費」等、そんなに金額的・科目的にも多くならないと思います。

「どちらかというと支払いの内容に疑問があったり、不要と思われる」出費が多かった人は、経費精算方式とすることにより、その出費が抑えられるようになると思います(自分で一定期間金銭を負担しないといけないのですから、出費前に自分で考えることになるでしょう)。

社員に経費を立て替えてもらえるのはいつまでOK?≫

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