介護職の医療行為は懲役刑の可能性も

訴訟に関連して、介護職の医療行為について少しお伝えしておきます。

サイトユーザーのかたから、「インスリン注射や血糖値測定は医療行為か?」という問い合わせをいただきました。

インスリン注射、血糖値測定はいずれも医療行為です。介護職が行うと、「医師でなければ医業をなしてはならない」(医師法第17条)と定めている医師法違反で違法行為です。

医師法17条に違反すると、3年以下の懲役または100万円以下の罰金、又はその両方が課されると医師法に規定されています。過去そのような罰則が下ったとは聞いたことがありませんが。

腹立たしいのは、介護職に医療行為をさせていたのが施設の方針だったという場合も、介護職本人はやりたくないといっているのに無理矢理させられていた場合も、医師法では施設、雇用者を罰する法律がないことです。

また、万一、介護職員の医療行為により何か事故があった場合は、その医療行為を行った介護職員が刑事責任を問われ、業務上過失傷害で起訴される可能性があります。これも今までに聞いたことはありませんが。

ただ、そうした事故により何か障害が起きた場合は、被害者から損害賠償を求める民事訴訟を起こされる可能性は、前述の二つよりは大きいと思います。この場合は、医療行為を行った介護職員と施設が賠償責任を問われることになると思います。

上司の指示や施設方針で医療行為を強要されている方、やりたくないけれどやっている方は非常に多いと思います。しかし、どんな理由にせよ、引き受けてしまったら重い責任を負うことになります。そして、不幸にも事故が起きたとき、職員を守ってくれる雇用者は決して多くないと思います。そのことをどうぞよく理解していただき、何とか、医療行為をしないですむ方法を探っていただきたいと思います。

そして、やむを得ず引き受ける場合は、事故があってもできる限り自分自身の責任を問われないよう、指示系統、指示の内容などについて記録を残し、できれば職場全体で事故を想定した話し合いを持って事故対応を決めておくことです。違法行為を承知でやらせる以上、職員にもそれぐらいリスクマネジメントはさせてほしい、と要求したいものですね。

……と書きながら、どれも難しいだろうなぁとは思っています。記録すら残させないところが多いかも、と。しかし戦っていかないと何も変わりません。できるかたから、できることから、どうか行動してみてください。

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