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コムスン、介護事業から撤退

虚偽申請問題で厚生労働省から、6月6日、介護事業所の新規開設、更新を認めない厳しい処分を受けた訪問介護最大手のコムスンが、同日、介護事業からの撤退を発表しました。取り急ぎ、この件についてまとめてみます。

執筆者:宮下 公美子

コムスン、介護事業指定打ち切り

全国に2081事業所を展開している訪問介護最大手コムスンの、兵庫等における新規事業所の職員数虚偽申請を「組織的に行われていた疑いがある」と見た厚生労働省は、2007年6月6日、申請者であるコムスンの今後の新規事業所指定、更新を認めない行政処分を下し、都道府県に通達しました。

これは訪問介護事業所だけでなく、あらゆる介護事業にわたって認めないという非常に厳しいもの。利用者の方はもちろん、コムスン従業員のみなさんも、このニュースには大きな衝撃を受けたことと思います。

コムスンはもともと、今年4月、介護報酬の不正請求問題の際、東京都から不正を行っていた事業所の「指定取り消し」の処分を受けることが確定的になると、取り消し処分が出る直前にその事業所の「廃業届」を出し、「処分逃れをした」と指摘されていた経緯があります。

コムスンのこうした組織的な不正、処分逃れ、利用者無視の対応に対し、厚生労働省は、訪問介護最大手に事実上の撤退を迫る厳しい処分を下すに至ったというわけです。

コムスンの不正の手口

コムスンが行っていた不正の手口は、すでに退職した職員の名前などを使って事業所の新規申請を行っていたというもの。指定基準に満たない人員で事業所を開設し、介護報酬の不正請求をおこなっていたことが明らかになっています。事業所周辺の住民が「働いている人を見たことがない」と言っているケースもあったようです。

コムスン側は「人員の入れ替わりが多く、すでに退職した職員の名前が掲載されていたことがあったかもしれないが、不作為の過失」と釈明しているようですが、行政は「最初からいない人の名前を使った申請が見られ、組織ぐるみの不正」と指摘しています。
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