それを今、イメージできますか?
これまで取材した中で、自分自身が歳をとったらお世話になってみたいと思った施設、事業所がいくつかあります。
そういう施設、事業所で責任者やスタッフのかたに話を聞くと、共通しているのは「理想の介護」を明確にイメージし、それを実現しようとしていること。
先日、あるデイサービスを訪れて、久々に明確な「理想の介護」のイメージを聞き、心引かれる思いがしました。今回は、そのデイサービスと追い求めている理想の介護を紹介します。
コーヒーか紅茶か日本茶か
午後3時のおやつの時間。スタッフが25人の利用者に何か尋ねて回っています。
何かと思えば、聞いているのは飲み物の種類。
「飲み物はコーヒーになさいますか、それとも紅茶か日本茶になさいますか」。
ほうじ茶か緑茶か、冷たいお茶か熱いお茶かを尋ねる施設、デイは知っていますが、3種類から好みや気分で選べるデイは初めてです。
併設のオープンキッチンで調理された温かい食事は利用者に好評。食事の時のお茶も緑茶かほうじ茶かを選べる |
このデイでは介護家族の休息のために、要介護度4や5という他のデイでは敬遠されがちな重介護の利用者も積極的に受け入れています。しかも、入浴は機械浴ではなく個浴。時にはスタッフ3人がかりで抱えて入れることもあるというのだから、これはなかなかたいへんなこと。しかし、3人がかりの利用者も含め、個浴の浴そう3つで25人全員の入浴を昼食前に終えるというのに、このデイはそうした奮闘ぶり、あわただしさを感じさせません。
>>次は「気ぜわしさを見せない努力」