以前、『セックスボランティア』書評という記事で、障害者の性について取り上げました。障害者に性への欲求があるように、高齢者にも性への欲求はあります。欲求が強い人もいれば弱い人もいる。あらわにする人もいれば、隠したがる人もいる。そういう違いがあるだけで、欲求がない、という人はおそらくまれでしょう。高齢者に性への欲求があること自体は自然なことだと思います。

しかしその性への欲求を、介護職にぶつける、あるいは解消してもらおうとするのは問題です。とても認めるわけにはいきません。ところが、この問題、あまり明らかにはされていませんが、実はとても多く、密かに悩んでいる介護職も多いようです。そこで、介護の現場でのセクハラについて、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。みなさんの体験、対処法、ご意見をお聞かせください。

こんな経験ありませんか?

ホームヘルパーをしている知人に聞いた話です。片麻痺の独居男性。陰部に湿疹があり、訪問するといつも、片手で薬を塗るのは大変だからと、陰部に薬を塗るよう頼まれるそう。いやだなぁと思いながら引き受けていたけれど、最近、同じ男性宅を訪問している同僚のヘルパーに聞いたら、他のみんなは断っているとわかり、ショックを受けたとか。はっきりした性格の他のヘルパーたちには、一度断られたらもう頼まなかったそうなのに、気が弱くて断れないその知人には強く要求していたようで、それもまたショックだったそうです。

介護現場でのセクハラ体験者は42.3%

八戸大学人間健康学部篠崎良勝講師による調査「介護従事者が利用者から受ける ケア・ハラスメントの実態調査」(2005年に介護職500人を対象に調査。2006年4月発表)によると、利用者やその家族から性的嫌がらせを受けた経験がある介護職は42.3%。性的嫌がらせとして列挙されている13項目のうち、最も多かったのは「不必要に手を握ろうと求められた、または実際に握られた」で25.5%。次に「不必要に胸や尻を触ろうとされた、または実際に触られた」21.3%。続いて「利用者の性体験の話を聞かされた」17.8%。

「自分で体の洗える利用者から利用者の陰部を洗うように求められた」は9.4%、「キスしようとされた、または実際にキスをされた」が5.6%。さらには、「マスターベーションの介助依頼、または実際に行った」(2.8%)、「セックス(性交渉)を求められた」(2.4%)という回答もありました。介護の現場で、そういう体験をしている人がいると思うと、ショックです。1対1で逃げ場のない在宅では、どう対処するのだろうと心配になります。

セクハラ体験者の55.4%が「不快になった」と回答。「仕事の能率が落ちた」という回答が11.6%、「転職・退職したくなった」という回答も9.1%ありました。

みなさんはいかがですか?
陰部にさわらせたがる、入浴介助のときに自分で洗えるのに陰部洗浄を要求される、という経験はありませんか? 性体験を言いたがる、聞きたがる、体にさわりたがる、抱きついてくる、アダルト雑誌やアダルトビデオを買いに行かせる、添い寝を求めてくる、といった経験はありませんか? 

セクハラで困った経験がありましたら、その体験と、どう対処したかをお聞かせください。

あまり積極的に話題にしにくいテーマですが、オープンにしていかないと、どれだけこの問題で悩んでいる方がいるのかも見えてきません。
どうかご協力よろしくお願いします!

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『セックスボランティア』書評

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