どんな施設?
民間企業などが運営する、介護保険施設ではない、営利の老人ホーム。要介護者だけが入居する「介護専用型」、在宅の介護サービスを利用する「住宅型」「外部サービス利用型」、健康な高齢者だけが入居できる「健康型」、健康な高齢者から要介護の高齢者まで誰でも入居できる「混合型」の4タイプがある。これまで多くのホームは、「介護専用型」あるいは「混合型」だったが、最近は「住宅型」有料老人ホームが増加中。また、有料老人ホームの新規開設に規制がかかった自治体を中心に、有料老人ホーム運営企業は、有料老人ホームではなく「住宅型」とほぼ同機能の賃貸住宅である「高齢者専用賃貸住宅」を開設するケースも急増している。
これら「住宅型」有料老人ホームや「高齢者専用賃貸住宅」は、介護が必要になったら外部の介護サービスを利用するという、在宅生活と同タイプのホーム。介護職員は常駐勤務していない。在宅と違うのは、緊急時に駆けつけてくれる生活支援員のような職員が常駐している点。また、同じ建物内に訪問介護やデイサービスなどの介護サービス事業所を併設しているホームもある。
前述の様々なホームのうち、介護職員が常駐勤務しているのは、「介護専用型」と「混合型」である。
どんな職場?
ここでは、「介護専用型」有料老人ホームについて紹介する。「介護専用型」の有料老人ホームは「特定施設入居者生活介護」の指定を受けることにより介護保険を利用できるホームが多いが、介護報酬に加えて、入居者から「上乗せ介護サービス料」を徴収するケースがほとんど。これは、特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護保険施設が、介護保険の報酬ですべての経費をまかなっているのと、大きく違う点である。
その分、サービスが充実していたり、人員配置が介護保険施設より多めになっているところもある。しかし、最近、急増した入居一時金を抑えたホームは、サービス水準は介護保険施設と同等、人員配置も介護保険施設と同様、入居者3人に対して職員1人の3:1体制など、「民間の特別養護老人ホーム」的なホームが多い。
つまり有料老人ホームは、ホテル並みのサービスを提供する高級ホームから、前述のように介護保険施設と同等程度のサービス水準のホームまで、かなり幅がある。運営者の方針によって、提供されるサービスの違いが大きいのである。そのため就職の際には、どのようなサービス方針、人員配置のホームであるかを十分確認することが大切だ。
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