【その確認ができたとしたら、まず「介護職志望」の場合、どうすればいいでしょう?】
「まず、資格要件のない、つまり無資格OKの施設に就職して、3年間、実務経験を積み、介護福祉士の資格を取る、という方法と、在学中に、先程お話したホームヘルパー2級講座を修了するという方法があります。
施設などの介護職で言えば、正規職員募集で資格不問の求人は13.9%、非正規職員でも25%です。ホームヘルパー資格必須の正規職員求人は22.8%、非正規職員求人は32.8%ですから、資格不問の求人にも応募できるホームヘルパー修了のほうが、間口が広くなると言えますね。
また、卒業後、介護福祉士の養成校に入学して、介護福祉士資格をとるという方法もあります。しかし、介護福祉士資格必須の正規職員求人は16.8%、非正規職員求人は4.0%ですから、就職する段階では、資格はホームヘルパー程度で大丈夫という見方もできます」
【では「相談員志望」の場合は、どうですか?】
「相談員を目指すのであれば、心身障害者分野であれば法的には資格は求められていませんから、無資格でも応募しやすいですね。身体障害者福祉分野では50.4%が資格不問ですし、知的障害者福祉分野では48.0%が資格不問です。老人介護分野で言うと、法的に求められている社会福祉主事任用資格必須の求人が25.7%、社会福祉士とどちらか必須という求人が21.0%。資格不問は4.9%だけです。
ただ、社会福祉主事任用資格というのは、大学で厚生労働大臣が指定する社会福祉分野の34科目(注)のうちの3科目を履修していると、自動的に取得できている資格ですから、履修科目を見直してみるといいかもしれません」
(注)平成12年4月1日から適用される34科目(平成12年3月31日までに卒業した人は、これとは異なる32科目が適用される)/社会福祉概論、社会福祉事業史、社会福祉援助技術論、社会福祉調査論、社会福祉施設経営論、社会福祉行政論、社会保障論、公的扶助論、児童福祉論、家庭福祉論、保育理論、身体障害者福祉論、知的障害者福祉論、精神障害者保健福祉論、老人福祉論、医療社会事業論、地域福祉論、法学、民法、行政法、経済学、社会政策、経済政策、心理学、社会学、教育学、倫理学、公衆衛生学、医学一般、リハビリテーション論、看護学、介護概論、栄養学、家政学
【資格の有無で、就職に有利、不利はあるのでしょうか?】
「それは、無資格よりはホームヘルパー2級を持っているほうが有利ですし、ホームヘルパー2級よりは介護福祉士を持っているほうが就職には有利です。新卒の場合、介護福祉士養成の専門学校卒など、有資格者が圧倒的に多いわけですから、そういう人たちと同じ土俵で就職活動を行うことを考えたら、何らかの資格があるほうがいい。
相談員を目指す人も資格があるほうが有利ですが、相談員は求人件数自体が、年間で8013件と、22049件の介護職に比べるとずっと少ないことを頭に入れておいてください」
→次は【就職活動はいつから始めるべき?】