これから介護・福祉業界に転職しようとしている人も、業界内で転職しようとしている人も必読! 介護・福祉の施設、事業者の採用担当のナマの声を紹介します。採用面接ではどんなことを聞くのか、どんな人がほしいのか、どんな採用手順なのか、こんなとんでもない人はお断り、他の事業者はこうらしい等々、読めばドキッとして役に立つこと間違いなし!
人の役に立ちたいって気持ちだけで来られても……
困るのは、福祉は与えてあげるものだと思って、人の役に立ちたいという気持ちだけで来ちゃう人。介護・福祉も仕事なんだから、相手に合わせて、相手の気持ちを汲み上げる努力が必要でしょう? ところが、「こうしてあげたい」という自分の思いを押しつけちゃう人って、意外と多いんですよ。
ホームヘルパーっていうのは、職場(利用者の家)に管理者がいない仕事。だから、自分自身の立場をきちんとわきまえられる人じゃないと、安心して仕事は任せられない。そういう意味での常識があるかどうかというのは、面接でじっくり見ますね。それと、今日明日の成果を競う仕事じゃないから、ゴールへ急ぐのではなく、ゆったりかまえて仕事に取り組めるかどうかも大事。あとは、何といっても聞き上手であること。高齢者っていうのは、どんなに文句の多い気難しい人も、じっくり話を聞いてあげれば時間はかかってもいい関係を築けるもの。だからヘルパーは聞き上手な人がいい。こういった点をクリアしているかどうかは、面接で話していれば自然とわかるものですよ。(訪問介護事業者)
裏付けのないやる気だけでは……
うちの施設で介護職として採用しているのは、基本的にはヘルパー2級以上の有資格者。求人広告にも、そう書いてます。でも、無資格者を全く採らないわけじゃない。有資格者募集なのに、わざわざ電話してきて、「無資格だけど、どうしても働きたいんです」と熱心に言われたら、会うだけ会ってみようと思いますよ。面接で話してみて、意欲があり、介護職に向いてそうだと思えたら、まずはアルバイトからでもいいならと言って採用することもある。でも採用できる人は少ないですね。以前、ある無資格の求職者の面接をしたとき、入職後どうしたいかと聞いたら、「働きながら介護福祉士の学校に通います」って言うんですよ。うちの施設はかなり田舎にあるから、介護学校がある都市まで行くのに2時間半はかかる。仕事のあと、そんな時間から授業をやってる学校なんてないですよ。そういうことを調べもせずに、やる気だけを訴えられても、本気かなぁと思いますね。(老人保健施設)