飲食店やお惣菜店など食品関係の営業をする場合は、施設に食品衛生責任者をおかなければならない義務があります。食品衛生責任者になるためには養成講習会を受講する必要があるのですが、常にしばらく先まで満席。受講希望のキャンセル待ちが出るほど取得希望者が多い資格なのです。けれどこの資格、栄養士・管理栄養士の資格があれば、講習を受けなくても飲食店の営業許可を受ける際に保健所に登録することで食品衛生責任者になれることをお忘れなく。
もちろん、受講を申し込めば講習会に参加することはできますので、ブランクのある方は最近の食品衛生に関する事情を知るため、再び学んでみるのも良いかもしれません。
「食品の衛生」とは主にどのようなことを扱うの?
食中毒ほか、飲食に関する事故をおこさないよう施設内の衛生や安全な食品の管理、違法な食品添加物の使用有無、適正な表示、包装材質のチェックなど、飲食にかかわる衛生全般を取り扱うのが食品衛生。
近年の食品をとりまく衛生状況は変化しています。例えば食中毒の発生原因物質ではノロウィルスが増えてきています。以前は食中毒というと梅雨や夏場に多いイメージでしたが、一年をとおして徹底した衛生管理が必要となっています。また食品添加物やBSEなどの販売禁止に関する事柄、水質についても知っておきたいですね。湧き水を汲んできて飲み物を作り、誤ってお客様に出すということがないよう、営業となると気をつけなければならないことがあります。自分で飲む分にはよいのですが、営業で使用する水は水質検査を行い、一定基準を満たしている必要があります。このことはビル内で飲食店を営業する場合も同じで水質のチェックを行います。
調理および製造、加工、販売など、食品の取り扱いに安全確保は必須。貯蔵や運搬、陳列は清潔に行い、ふきんやまな板などの調理器具の消毒や、食品に表示されている消費期限や賞味期限のチェック、またアレルギーの出やすい物質を含む食品を含めて内容物の表示。食品を包むパッケージや料理を入れる器も安全にかかわることとして関連してきます。
食品衛生責任者はどのような仕事をするの?
食品を扱うには衛生管理は必須です。 |
例えば清潔を保つための手段の一つに「手を洗うこと」がありますが、施設で食品を扱い営業を行うには衛生管理が重要であることをスタッフに理解してもらい、教育します。また従事者が原因で食中毒が起こらないようにスタッフは健康でなければならないことも同様です。作業場の温度や湿度のチェック、換気、冷蔵庫・冷凍庫の温度管理、料理の温度管理と水質チェックのほか、異物混入がないよう充分な注意を促すのも仕事です。
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