ERPは手段であり、その背景に対する理解が必要
ERPの特定の技術要素だけに特化して技術だけを身につけるのは確かに知識は廃れていきます。製品が違ってしまったり、製品自体が廃れると、いままでの知識が使えなくなってしまう。では、ERPを通して何を身に着けるべきでしょうか。何が普遍でしょうか?コンサルタントがERPの導入を通して最終的に実現させたい目的は、共通の方法論による業務一元化、業務の効率化であるわけです。あくまでERPはそのためのツールです。
業務プロセス、特に業界に特化した業務の知識をERPを通してしっかり学ぶことです。業務プロセスというのは、たとえば、在庫管理や原価計算、人事管理、決算業務、といったことです。
さらに、それに業界の知識が加わるといのは、それぞれ自動車業界の○○、食品業界の○○、石油業界での○○といったことです。業界によってやり方や、効率的な方法が違うはずです。
ERPを通して、最終的にめざすべきものは、その業務のプロフェッショナルなのです。自動車業界のSCMについては、上から下まで全部分かる。となれば、どうでしょうか。業務の知識は普遍です。そもそも、どのERPパッケージを導入すべきかといった選定や、ERPと現行業務のfit&gap分析も、元となるのはERPの技術知識やプログラミング言語ではなく、あくまでクライアントの業務の知識です。
逆にいえば、ERPをITとしてしか捕らえてないと危険です。「ABAP(SAP専用のプログラム言語)ならできます。ABAPしかできません。」となると、やっぱり危険です。それは言語やシステム依存だからです。
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