実はコンサルタントは専門性
ただし、ここで勘違いして欲しくないことがあります。仕事の浮気にも、よい浮気と、悪い浮気があるということです。コンサルティング志望者の方とお話して、結構勘違いをされているところがここにあります。「戦略も、マーケティングも、会計も、人事もいろいろなものが見れるから」コンサルティングをしたいという人がいます。この考え方は悪い浮気の考え方です。たとえば、次のような経験を積んだ人はどうでしょうか?
銀行の財務会計 × 製造業の人事 × 流通業の営業支援
これでは、業界もまったく違うし、テーマもまったくちがい、いろいろな経験ができて本人は楽しいかもしれませんが、経験の蓄積ができにくいのです。これは2次受け3次受けのSEなどでよく見受けられる、バラバラにいろいろなことをやってきて、何が強いのか見えないキャリア、というパターンになってしまします。
(SEの場合)
・銀行で買掛金の集計システムのバッチを作った
・コンビニ向けのネット決済システムを担当した
・保険の営業支援システムで日報管理を作った
・流通業の在庫管理システムの一部をつくった
(他の場合)
・最初の2年はシステムの企画をやっていました
・次の1年は人事部で採用をやっていました
・直近は2年は支店で法人向け営業をしています
これは幅広い経験と言えるでしょうか? 単にいろんな雑多なことを経験しましたというだけで、その人の強みが見えてきません。「なにができるのか職務経歴書からは見えない」という理由で、転職に苦労するパターンです。