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教授秘書から異文化企業の社長へ(3ページ目)

様々な国籍のスタッフが在籍する企業テンプスタッフ・ユニバーサルの社長野澤和世さん。社会に出て初めての仕事は医学部の教授秘書、英語も苦手だったという彼女が多国籍文化企業の社長になった道のりとは?

執筆者:柏木 梨花

いよいよ会社を立ち上げ

テンプスタッフにあったのが社内ベンチャー制度。
この制度を利用して、かねてからの思いをビジネス化することを考えます。
「日本企業もこれだけ海外に進出しているのだから、外国人を必要としている企業もたくさんあるはず。日本で仕事を求めている外国人を派遣・紹介する会社があってもいいのでは。」
野澤さんは事業の企画を社長に提出します。

さぞ入念に準備をした事業計画書を提出したのかと思いきや、なんと最初に提出したのはたった1ページの提案書だったそう。
「社長がみるのは、その事業に対する思いと収益性。細かな説明や飾りは必要としない人なのです。」
提案当初は、「ビザが大変なのでは?」「外国人派遣でビジネスになるのか?」といった声も多かったそう。
ところが、野澤さんのかねてからの思いと、収益に対する現実的な視点が社長に通じ、見事会社設立に至ります。

事務所はどこにするか、会社のロゴはどうするか、スタッフはどうするか。社内ベンチャーとはいえ会社設立に関する全てが野澤さんの責任。
「社内ベンチャーだから、会社設立にあたって必要なサポートはしてもらえるのだろう、となんとなく思っていた部分もありましたが(笑)、大間違い。何から何まで自分でしなくてはいけませんでした。起業する人にとってもっとも大変なことのひとつである資金集めの苦労はしなくてもすみましたけれど。」

現在は外国人の派遣・紹介に加え、日本人の海外就職のサポートもてがけます。

社内ベンチャー制度があったとはいえ、会社を設立しようと決断するのは勇気がいることなのではないでしょうか?
「母親が会社を経営していたので、昔から自分もいつかは中小企業の社長になりたいな、という意識はありました。」
マネージャーとして語学事業部の立ち上げを任された経験も大きく影響したそうです。
「ゼロから作って形にして利益が生まれる。やればできるんだ、と思えたのが社内ベンチャーを立ち上げることへの自信につながりました。」


本人の努力だけでなく、まわりの環境も大切

野澤さんが現在に至る経緯の中で、本人の努力だけでなく環境にも恵まれたと言います。
「テンプスタッフの社長も、アカデミーテンプの頃の上司も、部下に任せていろいろ挑戦させてくれる人でした。本当に多くのことを勉強させてもらいました。
本人の努力だけではなく、周囲の環境も大切だと思います。」


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