女性の転職/女性の再就職・職場復帰

コーチングが人生を変えた 小巻亜矢さん

「64億人に笑顔を」をキーワードとしたNPO法人"Hello Dream"を立ち上げ、活動を展開する小巻亜矢さん。今でこそ、キラキラ輝く女性の代表的な存在ですが、実は、専業主婦時代にこんな苦悩があったのです。

執筆者:川崎 あゆみ

今回、お話をうかがったのは、NPO法人「Hello Dream」代表、小巻亜矢さん。世界中の人々、64億人を笑顔にするため、子どもたちの夢を育むワークショップや大人向けには笑顔のコーチングが学べるプログラムを行っていらっしゃいます。

会社を立ち上げ著書も出版した、今でこそ輝かしいキャリアをお持ちの小巻さんですが、長い専業主婦の期間を経て今から13年前37歳で離婚。再就職を試みるも何の資格もなく挫折の連続でした。中高、大学とずっと優等生だった私に、まさか結婚してから試練があるとは思わなかった」とおっしゃる小巻さん。その試練とは?

小巻亜矢さん。1959年東京生まれ。成城大学卒業後、サンリオ入社。結婚後、退社。2人の子どもの母。NPO法人「Hello Dream」代表、株式会社Nal取締役代表。書籍に「女神の法則」(講談社)本間正人氏との共著「子どもの心を開く 笑顔のコーチング」(大和書房)がある

「何もできない人間」だと思っていた30代

大学を卒業後、憧れの会社に就職。1年半後に結婚退職した後は、子どもにも恵まれ、専業主婦として毎日を送っていました。でも……。

専業主婦で子育てをしていた時は、新聞をゆっくり読む時間もなく、テレビのニュースを見ていると、「私は、全く社会と関わっていない」と思えてきて、疎外感を感じ泣いたこともありました。

「何にもできない」「私って何のために生きているんだろう」と、毎日虚しさを感じてうつむき加減で生きていました。仕事をしようとしても資格もない、英語も中途半端。自分のことを“使えない人間”だと思ってしまうほど、自己肯定感が低かったんです。自分を生きている感じが全くしないような状況から、抜け出したいとずっと思っていました。潜在的にですが自立したい願望もあったのだと思います。

人それぞれ居心地のいい生き方があると思いますが、私の場合は、男の人に頼って生きるのが耐えられなかった。私が育った家庭環境も含めて、様々な要素が私のそういう思考に影響しているようで、「自立して生きる」ということをものすごく大切にしたかったんです。

37歳で離婚。仕事をして2人の子どもを育てていかなくてはいけないのに何もできないんですよ。働ける時間は限られているし。求人広告に「誰にでもできる仕事」ってあっても、それすらもできない。1人で生きていく力が全然ないということに気付いた時には、愕然としました。

30代後半は、人生2回目の思春期だったと振り返る小巻さん

人生を大きく変えたコーチングとの出会い

知人から化粧品関連の仕事をしてみないかと誘ってもらって、ようやく働き始めました。営業成績もよく、関わった女性のみなさんから色々相談を受けるようにもなって、順調でした。ただ、女性をきれいにするものは、化粧品だけじゃないなって思うようになったんです。

例えば、香りや優しい言葉。ホっとする時間など、お化粧のほかにも、女性がきれいになっていく要素はいっぱいあると思ったら、マインド(心)のことを勉強したい気持ちが強くなって、カウンセリングやコーチングを勉強し始めました。

初めて行ったコーチングのクラスで、最初の質問が、「あなたの人生で実現したいことは何ですか?」。 自分の人生? そんな視点で自分のことを考えたこともありませんから、ある意味とてもショックでした。

今だったら難なく答えられると思うんですけれど、その時は、それほど自分のことをわかっていなかったので、「自分の人生で実現すること?そんなこと考えていいの?」って思うほど、本当に戸惑いました。その時はとりあえずあまりわからないままに、「幸せな老後」って答えたんです。女性は、たいてい自分のことは後回しになるので、なかなか自分自身の人生設計する機会がないんですね。

それまで、自分でもわけがわからないまま一生懸命生きてきたけれども満たされない、何をしたいのかわからないし、本当に自分の声を感じていなかった。「何をしたらあなたは満足なの?」って誰かに聞かれたら、「どんな風に答えたら、相手が満足するだろう」と考えてしまうんです。「私、なんと答えたらいいですか?」って。常にそういう姿勢だったんですね。自分の声があることも感じてなかった。
「コーチング」とは質問を投げかけることで相手から答えを引き出すコミュニケーションの方法。「コーチングを学んだおかげで、なりたい自分が描けるようになりました」

やっと自分と向き合えた

それまで、「いいか?悪いか?」の判断基準しか持っていなかった。とらわれた視点でしか、物事を見ていなかったことに気付きました。私が私たるゆえんとか、本当に大切にしたいことは何なのとか、コーチングを学ぶ中で、いろんな視点で心を遊ばせることで、視野が広がったんです。

もっと自由に「楽しいか、楽しくないか」、「やりたいか、やりたくないか」で決めてもいいんだと。それまで、止めていた気持ちや、フタをしてきた気持ち、言いたかったけど言わないままになっていることとか。そういう内なる声に全くフタをしないで自分の心を感じてみるというようなことをしてみたり。

でも、自分の中で見ないようにしてきたことを見るのって怖いんですよ。傷つきたくないって思ってしまう。でもその気持ちを思い切り解放してあげることで本当に自由になれるんです。そんな風に自分自身と向き合えたことが、ものすごく人生を変えました。本当にコーチングを学んで良かったと思っています。



お子さんに対しても、「鬼母」だったという小巻さん。コーチングとの出会いにより、「氷が溶けるように」変わっていったとおっしゃいます。続きは、こちら→夢を語る大人になろう 小巻亜矢さん
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