誰にでもいい顔をするのは抵抗ありますよね。でも、「八方美人」も使い方次第のようですよ |
でも、仕事の上では、賢い八方美人になることで不必要な軋轢をなくすこともできます。
そこで今回は、無駄な敵を作らない、「信頼される」八方美人になるコツを探ってみましょう。
敵からの攻撃は、
満面の笑顔でかわせ!
ワンフロアに女性ばかりのコールセンター。
新人の約半数が、あるベテラン女性Kさんの細かなチェックに耐えられず早々に辞めていく…。
そんな職場が、中途入社の新人Aさんの登場で、ガラリと変わったといいます。
テレフォンオペレーターのAさんは、自他共に認める「おっとりキャラ」。
決して要領がいいタイプではなく小さな失敗を繰り返すAさんは、ベテランKさんの格好の餌食となりました。
K:「あら、まだこんなこともできないの。ホントに覚えが悪いのね」
「ここの入力は絶対に間違えちゃだめって言ってるでしょ。何回言ったらわかるの!」
「まだその仕事終わってないの? のろのろやってんじゃないわよ、ったく…」
多くの新人は、こうしたKさんの言動に、
1)泣く
2)新人同士で愚痴を言いまくる
3)面と向かってタンカを切った結果、さらに強いKさんの攻撃を受ける
…のいずれかの道をたどり、耐えきれずに退職するか、あきらめの境地でやる気なく働き続けるという状況でした。
ところが新人Aさんの反応はこうです。
K:「あら、まだこんなこともできないの。ホントに覚えが悪いのね」
A:「そうなんです。まだ覚えられなくって。先輩、覚え方のコツ、教えてください」
K:「ここの入力は絶対に間違えちゃだめって言ってるでしょ。何回、言ったらわかるの!」
A:「あっ、そうか…。すみません、またやってしまって。指摘してくださって、ありがとうございます」
K:「まだその仕事終わってないの? のろのろやってんじゃないわよ、ったく…」
A:「そうですね。どうもうまくいかないんです。先輩は、どうやって早く済ませるんですか?」
こうした言葉を返すAさんは、常に柔らかい笑顔。
少々デフォルメすれば、あごの前当たりで両手を合わせ、身体を左右に軽く振って、「教えてくださ~い」とちょっと甘える感じでしょうか。
敵意を持って攻撃する側は、自分の攻撃によって相手がいやがったり、困ったりする反応を楽しんでいるところがあります。
ところが、常に満面の笑みを浮かべ、声をかけられてうれしい!という反応をされると、肩すかしを食らってしまい、攻撃意欲を失うもの。
次第にAさんへの攻撃は減っていったといいます。
実は、Aさんは前の職場で先輩のいじめにあったことがきっかけで、この対処法を思いついたとのこと。
ほかのメンバーも彼女の対処法を学んだ結果、Kさんは攻撃をしかける相手がいなくなり、すっかり元気がなくなってしまったのでした。
次のページでは、高い能力を持っているが故に、知らず知らずのうちに敵を作ってしまうケースの対処法を考えてみます。