さて、今年5月に参議院本会議において、正社員との「差」を正そうと、パート労働法の改正案が可決されました。実際に施行されるのは、来年の4月ですが、一体どのように変わるのか、その内容を見てみましょう。
改正パート労働法で、どう変わる?
正社員並みに働いていながら、賃金その他の「差」に泣いているパートは、全国にたくさん |
1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員の1週間の所定労働時間に比べて短い人
■アルバイトや契約社員は?
パートタイマー・アルバイト・嘱託・契約社員・臨時社員・準社員のように呼び方は違っても、上記の条件に当てはまる方なら「パート労働者」。このパート労働法という法律の対象になります。
■「正社員並みパート」と「それ以外のパート」と区別するの?
パートと言っても、お中元・お歳暮の時期、あるいは月末だけのように繁忙期だけ一時的に働く人もいれば、正社員と変わらない内容の仕事をしている人まで、さまざまです。今回の改正では、「正社員並み」に働くパートの、お給料や利用できる福利厚生などについて定めています。
【正社員並みのパートとは】
・正社員と仕事内容が同じ
・転勤も人事異動も正社員並み
・雇用期間に定めがない人が対象
この条件に当てはまる人を「正社員並みのパート」とし、「パート労働者」であるということを理由に、賃金、教育訓練、福利厚生などの待遇を正社員と差別することを禁止しています。
正社員として働ける能力も経験もある。でも、家庭の事情でフルタイムで働くのは難しいという人も多い |
■職務関連賃金
基本給、賞与、役付手当て、退職手当、家族手当、通勤手当など
■教育訓練
職務遂行に必要な能力を付与するもの。ステップアップを目的とした教育訓練
■福利厚生
健康の保持、または業務の円滑な遂行に資する施設の利用。慶弔休暇、社宅の貸与など
これらの改正の対象になる「正社員並みのパート」って、何人ぐらいいるのか気になりますね。実は、厚生労働省は、全パートの4~5%にあたる、48万人~60万人と推計しています。でも、この数字の根拠はあいまいとされ、「1%もいない」という声もあるようです。
とうわけで、まだまだほとんどの人が、正社員並みでない「普通のパート」です。「普通のパート」の方のための改正点をご紹介しましょう。>次ページへ