「"You"メッセージ」から「"I"メッセージへ」


佐藤さん:じゃあ次に、キレる相手をかわすだけでなく、キレた相手にこちらの要求を聞き入れてもらう方法をお話しましょう。

泉:そんなことができる方法があるんですか?

佐藤さん:あるんです。それは、「"You"メッセージから"I"メッセージへの転換」です。上司から何か強いことを言われたとします。それに対して、「そんなこと言わないでください」と返したら、それは相手の行動を規制する言葉になり、相手はさらに反発してくるかもしれません。

泉:たしかに…。そうなると互いの怒りがどんどん高まりますよね。

佐藤さん:そうですね。これに対して、「こんなふうに言われると、私は非常に悲しいです」と答えたらどうですか? 悲しいのは「私」ですから、上司はそれを「そんなことはない」と否定することはできません。つまり、上司はあなたの気持ちを「そうか」と納得するしかない。すると、話を聞いてあげなくちゃとなるのです。

泉:「あなた(You)は、~だ」ではなく、「私(I)は、~だ」という話し方に置き換えるということですね。

佐藤さん:そうです。もっと正確に言うと、「I'm ~,if you ~.」という文章。たとえば、「~していただけると、私が助かる(幸せ、ありがたい)んですけど」という言い方です。

泉:たしかに、これなら攻撃的な言い方にならず、上司も聞いてくれそうですね。では、キレる部下にはどうしたらいいのでしょうか。

佐藤さん:部下がキレる時の多くは、自分の欲求が通らない時だと思います。これは、自分の欲求を通すコミュニケーション力が低下しているから。本来、この力は思春期に養われるものなのですが、今はそれが養われていないんですね。だから、教えてあげなければなりません。

泉:何を教えてあげればいいのですか?

佐藤さん:それは2つあります。一つは、あなたが言っている不満はあなただけのものではないということ。つまり、あなたが例外ということではないのだということです。

泉:たしかに、「どうして私だけが…」という人は少なくないですね。

佐藤さん:もうひとつは、他者を肯定したうえで自分の主張をしなければ欲求は通らないということです。社会に出たばかりの人の多くは、「I'm OK. You're not」が多い。でも、欲求を通すには「I'm OK. You're OK」じゃないとだめなのです。

泉:これは、自分自身が欲求を主張するときにも気をつけたいことですね。今日はありがとうございました。



佐藤綾子先生には、今後もいろいろとお話を伺う予定です。
次回のテーマは、「キレる自分にどう対処する?」。お楽しみに!

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