【フードコーディネーター】田中 みさとさん大学卒業後、弁護士秘書、当時家業であった定食屋経営、イベントコンパニオンなどを経てフードコーディネーターに。現在は、テレビ・雑誌・カタログの料理撮影や、新店舗のメニュー開発など多方面で活躍中。2006年3月、著書「フードコーディネーターというお仕事」を発刊。ウェブサイトはこちらから |
難 易 度 ★★★☆☆
かかる費用 ★★☆☆☆
最近よく耳にするようになった「フードコーディネーター」。どんなことをする仕事なのか、この仕事をするにはどんなスキルが必要なのか? 意外と分からないこと、一般的に知られていないことがたくさんあります。今回は、フードコーディネーターとして活躍する田中みさとさんにお話をお伺いしました。
決めたあとはスグに行動 ~フードコーディネーターになるまでの道のり~
子どものころから「食」には興味があったのですが、学生時代は法律を学びたいと思い、大学は法学部を卒業。その後法律事務所へ入社しました。3年ほど法律事務所で働いていたのですが、家業である定食屋を手伝うことになり退職。定食屋では接客だけでなく調理もまかせてもらっていました。もともと、私は毎日同じ場所にとどまり、同じ仕事をするのが苦手なタイプなんですね。もっと変化のある仕事がしたいと思い、コンパニオン会社へ登録。イベントコンパニオンとして1年ほど働いた後、しばらく落ち着いて受付の仕事をしようと思い、就職情報誌「とらばーゆ」を購入。受付の求人を見つけて応募しました。そこが、フードコーディネーターを派遣する会社だったのです。そのときはじめて「フードコーディネーター」という仕事の存在を知りました。フードコーディネーターの本を探して読んでみると、もともと興味のあった「食」に関する仕事であること、そして毎回クライアントも異なりますし、撮影場所も違う、常に変化ある仕事であることが分かりました。「フードコーディネーターになろう」と決めた後はスグに行動。派遣会社へ登録し、時給の高い派遣社員として働いて将来のためにお金を貯めながら、夜間のフードコーディネータースクールへ通いました。フードコーディネーターになるための第一歩「アシスタント」は報酬が安いイメージがありましたので、フードコーディネーターとして独立できるようになるまでには、ある程度まとまったお金が必要だと思ったのです。昼間は派遣として働き、夜はスクールへ。スクールの通学期間は、約半年。週1回の通学で、費用は約40万円でした。
参考資料:All About「女性のための資格情報」・・・「料理で人を喜ばせること」が好きな人に向く資格「フードコーディネーター」
本当に料理が好きな人でないと・・・ ~仕事内容・向いている人~
フードコーディネータースクールでは、経営経済について勉強することもあれば、テーブルコーディネートの授業を受けたり、または実習として実際に撮影へ立会うなど、幅広い知識を学ぶことができました。(フードコーディネーター資格の試験には、幅広い知識が要求されます。)スクール卒業後はフードコーディネーターの資格を取得し、スクールで正社員としてアシスタントに。その後、テレビ局の現場や学校講師として働くようになりました。さまざまな撮影現場で仕事をこなし、知識も経験も身に着いたと感じたとき独立。フリーとして仕事をはじめてから今年で4年目になります。現在、主な仕事は雑誌や料理本、食品の通販カタログなどで料理を撮影する際、料理をつくり盛り付けをすること。撮影の現場では料理の盛り付けをする傍ら、次の撮影の料理を用意するなど、いくつものことが同時進行しているので、常に全体を把握できるように、アンテナをはりめぐらせなければなりません。以前、テレビのバラエティ番組からレシピ制作の依頼をいただいたときは「一見、美味しくなさそうだけど、食べたら美味しいレシピを作って欲しい」とのオファーも。見た目が美しすぎてもダメ、もちろんまずいとNG。何度も試作を重ねてようやくOKをいただいたときは、ほっとしました。レシピの制作はテレビ番組だけでなく、新しいレストランがオープンするときの新メニュー制作の依頼をいただくこともあります。どんな内容の仕事でも、私が作った料理を食べて「美味しい」といってもらえるときが一番うれしいですね。それは、仕事であっても、自宅でレシピの試作をして家族に食べてもらったときでも同じこと。仕事で外にいても、自宅にいても、料理のことを考えています。やはりこの仕事は、本当に料理が好きな人でないと、続けていくことが難しい仕事だと思います。
参考資料:フードコーディネーターの仕事例
1)TV・雑誌などにでてくる料理を考え、調理し、盛り付ける仕事。
2)飲食店・食品メーカーなどの、メニュー開発および商品開発。
3)飲食店のメニューや経営のことなどを、総合的に指示するコンサルタント。
4)企業のアドバイザー。イベントの企画演出。
5)資格試験の講師や料理教室の先生
その他、テーブルコーディネーターやスタイリスト、フードライター、カメラマン、店舗設計、飲食店経営など。
著書「フードコーディネーターというお仕事」(田中みさとさん著)より抜粋。
参考資料:日本フードコーディネーター協会
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