福利厚生
休職時の保障は正社員だからこそ
福利厚生制度は会社によって大きく異なるため、正社員か派遣スタッフかという雇用形態で比べることは難しいのですが、差が出やすいのは、出産や病気などで休職した時の保障です。
例えば、育児休業。
法律では、「同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること」「子が1歳に達する日(誕生日の前日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること(子が1歳に達する日から1年を経過する日までに労働契約期間が終了されないことが明らかである者を除く)」のいずれにも該当すれば、派遣スタッフでも育児休業をとることができるとなっていますが、現実には難しいよう。
なぜなら、派遣スタッフは、長期に働く場合でも3カ月~6カ月程度の契約を更新するケースが多く、派遣先企業が更新を望まなければ、契約満了=派遣会社との雇用契約も終了となってしまうから。
これにより、上記の「子が1歳に達する日(誕生日の前日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること」という項目に該当しなくなれば、育児休業の対象ではなくなってしまいます(特定派遣を除く)。
プライベートな時間
希望が通りやすいのは派遣スタッフ
派遣スタッフは、登録の際に、残業の有無や勤務時間について希望を伝えることができるため、そこにこだわれば、プライベートな時間を確保することも可能。
厚生労働省の派遣労働者実態調査(平成17年度)でも、残業が「まったくない」との回答が、16.3%、「1カ月以上に1回程度又はほとんどない」が17.8%(いずれも女性)になっています。
これに対して正社員は、突発的な事態への対応を求められたり、暗黙の了解として社員としてのおつきあいを求められたりと、自分の意思で時間をコントロールできないケースもしばしば。
「責任ある仕事を任されるにつれ、仕事に割く時間が増えた」と話す人も少なくありません。
全体を整理すると、
正社員は、派遣スタッフより収入が多く、長く働く上での保障も充実。でも、その分、仕事で拘束される時間は長くなりがち。
派遣スタッフは、正社員より収入は少なく、保障も薄い傾向があるけれど、希望することでプライベートな時間を確保することもできる。
となりそう。
そのため、
仕事で拘束される時間が長くなっても、多くの収入、保障を重視したい人は正社員がお得。
収入や保障よりも、プライベートな時間を優先したい人は派遣がお得。
また、正社員は会社のコア業務を担当することから責任も重くなりがちですが、その分、それをやり遂げた時の達成感も大。
派遣スタッフは、正社員ほど責任は重くないものの、手応えもそれなりになりがち。
仕事に何を求めるかによっても、お得の答えは違ってきそうです。