「ケーキの撮影は溶けないか、崩れないかといつもドキドキです。夏場やカメラのライトで溶けかけた時はみんなで焦りました」竹内さん *写真はイメージです |
必要があれば外出することも ~編集の仕事内容~
仕事の流れは、特集の企画出し→リサーチ→ラフひき(おおまかなページ割り)→デザイン打合せ→ライター・カメラマン手配など→写真のデザイン出し→原稿チェック→入稿作業~校了まで。そのときの企画担当に当たっていれば、ページの構成と内容に合わせたページ割り、それと平行してリサーチしつつ企画を練っていきます。ここが、しんどくもあり、また楽しい仕事でもあります。週に1度のミーティングで、その企画書をたたき台に、みんなから意見をもらいまとめていきます。1月末発売の場合、11月末から12月初旬に企画だしがはじまります。仕事はその他にも、必要があると判断すれば、普段はライターさんやカメラマンさんが主に担当している取材の立会いをしたり、新しいお店がオープンすれば下見に行くなど、外出することもあります。ときには、撮影で使う雑貨や商材(パンやケーキなど)を引き取りにいくことも。事務所でも仕事はフル回転、必要があれば外出もする。編集は体力勝負の仕事ですね。
働くスタイルを変化させることで続けられる ~将来性・お給料~
編集の仕事は、ライターさんやカメラマンさん、また取材先への対応など、人との関わりが多い仕事。人と接することが好きなこと、これは編集のセンスや技術以前に、この仕事のベースとなる要素だと思います。お給料は、一般企業におつとめの方と同じぐらいでしょうか。一人暮らしをしているスタッフも多いですよ。自宅が事務所から近ければ、仕事が忙しくても睡眠時間が確保できますし、最終電車を気にしなくてもいいですから。(笑)締め切りが近づくなど、仕事が忙しくなれば帰宅時間は遅く、不規則な勤務時間になることもあります。結婚して、特に子供ができたりすると、この仕事をそのまま続けるのは難しいのではないかと思います。先輩たちの中には、結婚後、編集の仕事をしていたキャリアを活かして、フリーのライターとして活躍されている方もいらっしゃいます。ライフスタイルが変われば、働くスタイルも変化させることで、重ねてきたスキルやキャリアを、将来のために活かすことができる仕事だと思います。
編集プロダクションの存在も ~出版業界への転職方法~
出版業界の求人は、求人誌を使っての募集は少ないようです。出版業界では転職をされる方も多いのですが、出版社から別の出版社へ、または編集プロダクションから出版会社へ、時には知人を介しての転職がほとんど。もしも出版社へ入りたいと思っていらっしゃるのであれば、はじめは編集プロダクション等へ入社し、経験を積んでから出版社へ転職する、という方法もあります。もしも、理想の雑誌や会社があれば、まずはその世界をのぞいていてみるという意味で、フリーペーパーなど、同じように本や雑誌をつくる会社で仕事をされるのもよいのではないでしょうか。私も当初、出版社は無理だと思っていましたが、マスコミ系の仕事を少し経験しておきたいと思い、広告代理店へ入社しました。学生のころから、自分は営業には向いていないと思っていたけれど、そこで営業をさせてもらったおかげで、雑誌やパンフレットに携わることができました。そのときの経験がなく、調理師の専門学校卒、食品会社の勤務の職歴だけだったら、おそらく今の職場へ転職はできていなかったと思います。その世界に、なにかしら足を踏み入れる第一歩となる仕事に就くと、次へつながっていくと思います。求人の多くは、経験者の募集ですが、急きょ人がほしいときなど、例外もあります。根気よく、夢をつかむために、前に進んでいけば、必ずチャンスをつかめます。みなさんも、ぜひ、がんばってください。
【編集後記】
広告代理店・専門学校・食品会社、そして出版業界。つながりがないようでも、その時々の決断は、竹内さんがご自身と真剣に向き合い、出した結論だったのだと思います。「自分の気持ちに正直に」。これは、竹内さんに教えていただいた、夢を叶えるための、大切なポイントなのだと感じるインタビューでした。