子育てと仕事の両立支援
女性職員の働き続けたい!に応える形で企業が子育てと仕事の両立のための制度を整える動きが出てきました。
平成15年7月に成立・公布された「次世代育成支援対策推進法」。事業主の行動計画の策定が施行されて1年が経ちました。

各企業は、それぞれに短時間勤務を可能にしたり、育児休業を取りやすくするための工夫を凝らしています。また、社内の理解を深める努力や、代替要員を確保するなど、仕事と家庭の両立を支える制度を整え、多様で柔軟な働き方ができるよう取り組んでいる企業が増えていることは、非常に喜ばしいことです。

今回は、そんな企業の取り組みをご紹介しましょう。

勤務時間の短縮

小さな子どもを預けて働いていて、大変なことの1つは保育園への送迎。東京都の公立の保育園の場合、一部を除いて開所時間を朝7時15分~夕方18時15分と設定しているところが多く、17時ぴったりに会社を飛び出て、お迎えにぎりぎり間に合うかどうかというところです。万が一、会議など残業が入ってしまったら、間に合ない!と保育園にタクシーを飛ばすことも。

そこで企業が打ち出したのが「短時間勤務制度」。この制度は、例えば朝出勤時間を30分遅くして、就業時間を1時間早くするなど勤務時間を短くするもの。勤務時間はフルタイムの正社員より短くなります。仕事の質はフルタイムの正社員と同じ。給与やボーナス、年金も働いた時間に比例して支払われ、労働が減った分はその分給与もダウンします。昇進もフルタイム正社員と同等に扱われるというもので、同じように勤務時間の短い非正社員とは、区別されています。

これまでの短時間勤務制度では、子どもが小学校に入るまでと制限しているところが多かったのですが、最近は、小学校入学後3年までなど、対象学齢を引き上げる企業が増えています。

日産自動車は、これまで小学校に入るまでは、1日の勤務時間を3時間減らすことを認めてきましたが、2006年4月から、時短勤務の対象を小学校3年生まで拡大しました。松下電工は、育児休業の期間中も1日2時間だけ会社に出て仕事をすれば残りの4時間については、在宅勤務でよいという制度を始めます。

味の素は、子どもが4年生に進級するまで。田辺製薬は、小学3年生の3月末まで最低5時間半から短時間勤務が何回でも可能となっています。また、キリンビールは、産後から小学校3年生までの間に最長48か月の育児休業あるいは時短勤務ができます。(例えば、2年の育休の後、1年間時短勤務をして、いったんフルタイムに戻り、子どもの小学校入学後に再び1年の時短勤務が可能)

昇進や昇給にもしかしたら多少の影響があるかもしれないけれど、それでも「仕事と生活のバランスを取りながら働きたい」「子育てもきちんとしたい」と考えたとき、キャリアのペースを少し落として働くという選択が可能になってきたようですね。

時短勤務制度
勤務時間を短くできるのは、ありがたい。同時に周囲の人の理解を得る努力も、企業は併せてする必要があります。

企業の努力も、義務として求められるのは3歳まで

 育児・介護休業法では、3歳までの子どものいる従業員に対し、「勤務時間の短縮等の措置」を取ることを義務づけています。「短時間勤務制度」や「フレックスタイム制」「所定外労働の免除」などがそれにあたりますが、3歳から小学校就学までは、努力義務とされています。

2002年度に行われた厚生労働省の調査によると、時間勤務制度を導入している企業の割合は38.5%。1999年度の29.9%から8.6%増加していますし、子どもの年齢の上限を、3歳以上としている事業所の割合は、制度を導入している事業所の48.8%となっており、積極的に両立支援に取り組む企業の姿勢が垣間見られます。

さて、次は短時間勤務によって不足する労働力を補う代替要員、事業所内託児施設についてご紹介しましょう。>>次ページへ