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アメリカの雑誌”Working Mother”から

日本には、働く女性向けの雑誌は、数々ありますが、どれもファッション性が高いのと、「母親」に特化した雑誌がありません。そこで、アメリカの雑誌”Working Mother”から、トピックを拾ってみました。

執筆者:川崎 あゆみ

ワーキングマザー
アメリカの女性も、日本の女性も、子育てしながら仕事をする上での悩みは共通。
日本には、働く女性のための雑誌は数々ありますが、働く母親のための雑誌が残念ながら見当たりません。日経WOMAN(日経ホーム出版社)が一番近い感じですが、どちらかと言うと独身の女性向きという印象が強いですし、40代の働く女性向けのPRECIOUS(小学館)も、キャリアそのものについてというよりキャリア女性向けのファッション誌です。

そこで今回は、アメリカで出版されている働く母親向けの雑誌“Working Mother”から、アメリカの働く母親たちは、どんなトピックに興味があるのか、それはアメリカならではのものなのか、それとも日本の働く母親と共通のトピックなのか記事の内容を見てみたいと思います。

アメリカの働く母親向け雑誌”ワーキングマザー”

2006年の5月号の特集記事は、「私は、まず母親である」。ワーキングマザー誌のCEOとして活躍するキャロルさんは、19歳と16歳の子どもを育てながら仕事を続けるワーキングマザー。責任の重い仕事、子育て、家庭、自身のことをどうやってこなしてるのかと、よく人に聞かれます。「できない、できないって言うけど、知らない間にできているもの。アメリカの72%の母親がフルタイムにしろ、パートタイムにしろ仕事を持っているのよ。みんな両立させながら、強くて幸せな子どもたちを育てているじゃない?もちろん、いろいろ大変なことはあるけどね」という内容のことを語っています。

また“罪の意識を感じた瞬間TOP5”として、「子どもの具合が悪くなり、学校の保健室から電話が入ったときに、仕事を抜けられずにお迎えに行けなかった」「勉強の仕方が悪いと娘に注意したら、“どうしてそんなことがわかるの? いつも家にいないくせに!”と言われた」など、罪悪感を覚える内容は、日本の働く母親と全く変わらないことがわかります。また、子どもが小さいときは、想像できうるありとあらゆる罪悪感とたたかいながらの子育てだったと振り返っています。この気持ちは、働く母親ならほとんどの人が理解できる、切ない気持ちですね。

その他の特集記事では、「製薬業界で活躍する3人の女性」を取り上げ、女性には科学の分野には向かないとか、この業界は大変だから子どものいる人が働くのは大変だとか言われているけれど、「絶対に科学者になる、そして家族も持つんだって決めていた」(子ども:17歳と14歳)、あるいは「社会に役立つビジネスをしている会社で仕事ができて幸せ」と語る女性(子ども:4歳の双子の女の子)のインタビューを掲載。

ワーキングマザー・オブ・ザ・イヤー

さらに「ワーキングマザー・オブ・2006年」を発表。まず選ばれたのが、消防署で働く41歳のシャロンさん。学校卒業後、男性に混じってこの仕事をしていた女性は、当時たった3人。トイレさえ自由に使えない日々に、「それなら数を増やそう」と、女性の数を38人まで増やします。さらに現場で、女性では無理だから男性を呼べといわれたときも「女性は腕力はないけど、足の力は強いのよ」とばかりに男性を担ぎ出したというエピソードも語られています。署内の女性のロールモデルとなった彼女は、全国130人の女性のトップに昇進したそうです。

など、他にもIT企業で活躍する女性や、プロジェリアという難病研究のための基金を共同設立し、メディカルディレクターとして働く女性が選ばれています。

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