適性があること=天職ではないと気づいたBさん
昔から細かい作業が好きで手先が器用だったBさんは、親の勧めもあり歯科技工士に。
まさに、適性を生かした仕事選びでした。
職場でも、その丁寧な仕事ぶりは高評価。技工士としての腕もぐんぐん上がっていったといいです。
しかし、Bさんはいま一つ、仕事に夢中になることができません。
どんなに良い仕上がりになっても、手ごたえがないのです。
そんなころ、Bさんは、彫金教室に通い始めます。
手先の器用さを生かして細かな作業をするという点は、仕事と同じ。
しかし、決定的に違ったのは、「彫金は自分でデザインを考えて作る」ということでした。
そしてBさんは気づきます。
「私が喜びと感じるのは、自分がイメージしたものを形にすることであり、それを誰かがステキと感じて手にしてくれることだったんだ」
その後Bさんは、彫金教室で技術を身につけ、小さなジュエリーショップにデザイナーとして転職しました。
Aさんも、Bさんも、自分のやりたいこと、適性を考えて仕事を選んだのに、最終的に「向いていなかった」という結論に達しています。
それはなぜでしょう。
私は、仕事を考える際に、「自分がうれしい瞬間はなにか」という視点を持っていなかったことが原因だと考えます。
相手の望みを叶えてあげることが自分自身の喜び
自分のアイディアや提案が受け入れられるとうれしい
細かな数字を管理していくことが快感
仕組みを作って、物事が円滑に進むとうれしい………
やりたいこと、適性ではなく、「自分が喜びを感じる瞬間をたくさん経験できる仕事って何?」という視点から仕事選びをしてみてはいかがでしょうか。