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厚生労働省の調査から考える女性の働き方 初産で3人に2人が退職

先日、厚生労働省が、出産後6カ月の時点での母親の就業状況などを調査した結果を発表。それによると、初産を機に仕事を辞めた人が3人に2人に上ることがわかりました。

執筆者:泉 まつお


●社内昇進でのキャリアアップを
目指す人には残念な結果かも


10月21日に発表された「第1回21世紀出生児縦断調査」は、子どもたちが成人するまで継続する初の長期追跡調査の1回目。調査は、昨年1月と7月のそれぞれ10日から17日の間に生まれた子供5万3575人を対象に実施したもので、それぞれ生後6カ月の時点で調査を行い、4万7007人から回答を得ています。

これによると、出産1年前「有職」だった人のうち、現在「無職」という人の割合は56.1%。初産の人に限って見ると、有職者の67.4%、およそ3人に2人が出産を機に退職していることがわかりました。また、2人目以降の出産でも、34.5%の働く母親が退職しています。

出産は肉体的にも精神的にも大きなできごとですし、出産後の育児もたいへん。保育所の入所待機児童が数多くいるなど子育てと仕事の両立をバックアップする体制がまだ十分でない中では、これを機に退職する人が多いのも仕方がないことなのかもしれません。

昇進試験の受験資格に一定の勤続年数が必要なことも多い今の日本企業において、社内での昇進という形でキャリアアップを目指す人にとっては悩ましい現実と言えるでしょう。


●正社員にこだわらない
キャリア形成を考えるのも一つの方法


その一方で、こうした現実の中、正社員や社内昇進にこだわらずキャリアを形成していくという考え方もできます。

ある雑誌で、理系学部を卒業し、しばらく正社員として勤務した後、結婚・出産を機に退職、パートとして働いてきたある女性の話が紹介されていました。



彼女は、子どもの手が放れてから自宅近くの研究所でパートの研究補助スタッフとして働いていました。

しばらくして研究所が移転することになり、通勤に時間がかかるから退職を申し出たところ、週に1日でも2日でもいいから続けて欲しいと会社が切望。

それならと可能な勤務日数で仕事を続けた彼女は、その後、誰もが勤務したいと思う日本を代表する研究所への転職を実現したというのです。




その時々、自分の置かれた環境の中で無理せず働き続けることでキャリアを積むことのすばらしさ。正社員として働くことと家庭、育児の両立がまだまだ難しい中で、自分らしいキャリアの重ね方を考えてみたいですね。


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