Part2. 中堅編
◆事例3
1週間後にミーティングを開くことになり、Cさんがそのミーティングの仕切りを任された。
Cさんの対応/会議室を予約して参加者に日時を連絡。当日、自分はいち早く会議室に行き、テーブルセッティングなどを整えた。
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上司の声
「たしかに会議は予定通りに開けましたが、資料の用意も原案もなく、期待はずれの仕事ぶりだったと言わざるを得ません。私が『仕切ってくれ』といったのは、場のセッティングだけでなく、ミーティングを進行させ、その中身が充実するように動いてくれということ。そこまで伝わらなかったようですね」
入社2~5年目ぐらいでは、「○○を任せるからよろしく」という場面が増えてきます。
その時、上司はどこまで任せたいと思っているのか。
細かく指示をしてくれる上司はそんなにはいないでしょう。
しかし、新人ではないのだから、「言われなかったからやらなかった」では話しになりません。
言われなければ、どうすべきかを自分で考えるのが主体的に仕事をするということ。
自分のやるべき範囲がわからない場合は、「資料は私が用意した方がいいでしょうか」「どんな資料が必要でしょうか」と上司に聞けばいいのです。
上司は、下からの発信を待っています。
◆事例4
営業部に新人が配属となり、Dさんがその新人の教育を任される。(1カ月ぐらいすると、その新人が、Dさんではなくその上の上司に頻繁に相談をもちかけるようになった)
Dさんの対応/まずは、新人に対して商品についてレクチャーしたり、営業同行を行ったり。その上で一人で営業に行くように促し、日報にて新人の状況を把握した。
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上司の声
「教育担当としてのDさんの働きは、表面上はなにも問題ありません。しかし、日報に書いてある内容や何気ない発言、表情などから新人の気持ちや状況を読みとり、それに応えるような行動ができなかったため、新人が私に相談をもちかけるようになってしまったようです。いわゆる目を配るということができていないんですね」
教育とは、「教えて育てる」ということ。
「わからないことがあったら相談してね」と言っておいたとしても、新人の場合、「何がわからないのかがわからない」ということがよくあります。
そこを読みとり、さりげなく手をさしのべたり、導いたりするのも教育担当の果たすべき役割。
難しいことではありますが、会社ではこれも求められることのひとつです。
「自分で考えて動く、働く」ということは、任された仕事をどれだけ「自分の仕事である」と意識しているかだと思います。
最後まで自分で責任を持つつもりがあれば、これもやらなくちゃ、あれもやっておいた方がいいかも、と気づけるはず。
少し乱暴に言えば、「よく気がつくね」と言われる人ほど、主体的に働いているとも言えるのです。
そして、女性に対して「よく気がつく」ことを期待する男性上司は少なくありません。
ならば、その期待に応えてあげようではありませんか。
期待されていることに応えていくことが、自分の評価を上げる一番簡単な方法ですよね。
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