3. やってみてダメだったらまた考えよう。ポジティブ思考で一歩を踏み出す
――帰国途中に立ち寄ったタイに、今の仕事のきっかけがあったんですよね?
「町を歩いていて、ふらりと一軒のマッサージサロンに入ったんです。1年の疲れを癒そうかな、ぐらいの軽い気持ちで。そのサロンを選んだのも、日本語が通じそうというだけで、適当でした。でも、そこでやってもらったマッサージが本当に気持ちよくて、虜になっちゃった」
――それで、帰国後スクールへ?
「そうなんです。ただ、最初から、これを絶対に仕事にしようと思っていたわけではありません。再びOLになる気はなかったし、手に職をつけたいという気持ちはありましたが、やりきれるかどうかはわからなかったから。でも、やってみてダメだったらまた考えればいい。そのときは、自然にそんな風に思えました」
――まわりに頼っていた頃とはずいぶん違いますね
「本当ですね(笑)。やっぱり、海外で生活した経験が大きかったと思います」
――リフレクソロジーの技術と知識は2ヵ月の短期コースで学んだんですよね
「からだの構造やしくみを学んだ後、実践形式で足裏にある全身の反射区の位置や深さを覚えていきました。実は、最初は足の裏への刺激でどれだけの作用があるんだろうと半信半疑だったんです。ところが、生徒同士で施術しあうと、便秘症、冷え性といった自分自身の体の不調が解消されてビックリ。これはすごい!って思いました」
――それでますます本気になった?
「これなら人に自信を持って『いいよ』と勧められると感じたのが、マッサージを本気で仕事にしようと思ったきっかけですね」
偶然の出会いを転機にするかどうかは自分次第。海外生活でポジティブ思考ができるようになったことが、涼子さんに大きな一歩を踏み出させました。