2. 充実感が感じられなかったOL時代。海外に行けば何かが見つかるかも…
――卒業後、海外での生活は実現したんですか?
「いいえ(笑)。そうしたいという気持ちはあったんですが、『とりあえず就職を』という親の意見に押されて、警備会社に就職。自宅近くの会社だったので、一人暮らしも止めて自宅に戻りました」
――警備会社ではどんな仕事を?
「営業事務ですね。営業スタッフの成績を集計したり、お客さんにお茶を出したり。あとは、上司に頼まれた書類をワープロ打ちするぐらいで、基本的にヒマでしたよ。残業もほとんどなかったし」
――じゃあ、自由になる時間はけっこう多かったのでは?
「そうですね。だから、仕事の後に英会話を習ってみたりしたんですが、毎日、あまり充実しているという感じは持てませんでした」
――それで海外へ?
「最初は、就職してお金が貯まったら、自立のためにもう一度一人暮らしをしようと思っていたんです。それがワーキングホリデーに変わりました。でも、それは決して前向きな考えではなかったんですよね。海外へ行けば何か見つけられるかもという感じ」
――なるほど。で、海外へ行ってみて見つかりました?その「何か」は
「実は、ワーキングホリデーでは見つからなかったんですよ…。ただ、海外で生活したことで、ずいぶんプラス思考にはなったと思います」
――それはなにかきっかけがあったんですか?
「なにか大きなことがあったわけではありません。でも、日本にいた頃は自分に自信がなくてネガティブに考えてばかりいましたが、海外では何でも一人でするしかない。自然に変わっていったんだと思います」
ポジティブ思考は身に付いたものの、期待していた「何か」は見つからない。「何しにきたんだろう」と半ば落胆しながら帰国の途に着いた彼女は、友達の誘われるままタイに立ち寄り、そこである体験をします。