●忙しい自分に酔っていると、情報が入ってこなくなる
基本的に管理職というのはその下のメンバーより忙しいものです。
そして、上司からは自然に「忙しいオーラ」が出ていて、部下もそれを感じ取ります。
そんな時、
「こんなに働いている私ってすごい」と自己陶酔の世界に入ったり、
「下の人もこれぐらい働いてよね」などと思い始めたら要注意!
人間、忙しくなるとどんどん視野が狭くなり、自分の世界に入っていきます。
そして、その人のまわりに、ガーッと空気の壁ができてしまいます。
すると、部下は「忙しそうだから、今は相談を持ちかけちゃだめかな」と思います。
それが続くと、そんなに忙しくない時でも部下は声をかけにくくなり、
気が付けば、自分だけが何も知らなかったということにもなりかねません。
忙しくて忙しくて仕方がないとき、私はどうするか。
「忙し~い!」「ワーッ!」「エーッ!」ととにかく騒ぎます。
この方法がいいかどうかはわかりませんが、
一つだけ言えるのは、こうして騒いでいると、まわりから「何かあったんですか?」などと声がかかり、自分一人の世界に入って声をかけにくくなるということはないような気がします。
●部下と仲良くなろうと思うと失敗する
誰しも、自分が部下からどう思われているかは気になるもの。
できれば、嫌われたくないと思うのも当然でしょう。
でも、その気持ちが強すぎると裏目に出ることもあるようです。
ある会社の事業部長。
性格も穏和で悪い人ではないのですが、部下からの信頼はあまり厚くないよう。
ずっと、なぜだろうと思っていたのですが、ある時、その理由がわかりました。
それは、ある仕事が終わり、打ち上げに参加させてもらった時のこと。
その人は、やたらと部下に気を遣うのです。
「どう、飲んでる?」
「あんまり食べてないんじゃない?」
「あれ? ビールより日本酒の方が良かった?」 などなど。
それが、大きな仕事をやり終えた部下をねぎらうという感じならいいのでしょうが、決してそんな雰囲気ではなく、「仲良しだよね~」と確認して回っているような感じ。
その会社の人に聞けば、仕事中もなにかにつけてこんな感じなんだそうです。
中には厳しくされないことを歓迎する人もいるようですが、
大半のメンバーは、部下に媚びる上司は頼りなくて仕方がないという評価。
「部下と仲良くなろうとする前にやることがあるでしょ!」と
厳し~いひと言を放つ人もいました。
マネジメントは、上司のキャラクターによってうまくいく方法とうまくいかない方法があるので、
今回ご紹介した4つのコツは決して絶対的なものではありませんし、私自身もマネジメントに自信を持っているわけではありません。
ただ、私が取材や経験を通して感じているのは、
マネジメントはその人の度量が問われるものだ
ということ。
つまり、部下を育てるには、まず、自分が成長し、
「人間力」をつけなければいけないということ。
マネジメントが仕事と思わず、自分育てのいいチャンスだと考えてみませんか?
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