マネジメントってホントにたいへん。
4月に昇進して、そう思っている人も少なくないと思います。
頑張りすぎて空回りしたり、思うように下が動いてくれなかったり。
マネジメントに関する本はたくさんありますが、
今回は、私が管理職の人を取材して教えられたことや、
私自身が心がけていることを紹介したいと思います。
●その人のライフライン(=その人がどうしても直せないこと)を攻めない
人の上に立つと、どうしても部下のできていないことが目に付きます。
もちろん、それを指摘して改善を促すことは必要なことですが、人間、どうしても直せないことってあるものです。
たとえば、ものごとを計画的に進められない人。
几帳面な人にとっては、イライラするし、危なっかしくて見ていられませんが、本人はいたって平気。
それで最後にまわりに迷惑をかけるかといえば、なぜだかつじつまが合い、うまくいってしまう。
営業締め日の前日まで目標に遠く及ばないのに、最終日にするりと目標達成してしまう人、いますよね。
こういうタイプの人は、計画的に仕事をしなさいと指導しても無理。
それどころか、計画的でないことをあまり強く攻めると、最後にはできていたこともできなくなってしまう危険性があります。
人間、だれしも得手不得手はあるもの。
自分とタイプの違う人を自分のやり方に染めようとしすぎるのは、いい結果を生まないことが多いようです。
●少しだけ抜けたところがある上司になった方が下は育つ
部署を代表する上司として、お客様に失礼があってはいけない。
たしかにそうがですが、何事も最後に上司が完ぺきにチェックすると、
下の者は上司にミスを指摘されて叱られることはあっても、
お客さんなどに叱られたり、ミスをして恥ずかしい思いをすることがありません。
つまり、部下が失敗することを恐れて先回りする上司は、子どもを過保護に育ててる親と同じ。
これでは部下に甘え癖がつき、いつまでたっても独り立ちできません。
私がおつきあいさせていただいている会社にこんな営業部長がいます。
その営業部長は、案件のめどが立つと、「後は任せた」と部下に一任。
要所要所はビシッとチェックが入りますが、
時には、前日、接待で飲み過ぎたからと社内の会議に遅刻することも。
これで部下が上司に不満を持つかと言えば、
私が知る限り、そんなことはまったくありません。
一任されたことで部下には緊張感と責任感が芽生えるとともに、
飲み過ぎてポカをするかわいい上司だから、自分がしっかりしなければと思っているよう。
その人は、「締める」と「抜ける」のバランスが絶妙。
私が見習おうと思っている管理職の一人です。
(飲み過ぎでの遅刻は別ですが・・・)