女性の転職/女性の転職・再就職成功事例

私が出会ったステキな女性 vol.2 40歳の今ネイルの道へ 千里さん(4ページ目)

正社員を20代後半で辞めて派遣スタッフに。その後、能力の高さを買われて派遣会社の正社員なり、30代半ばで部長になった勝山千里さん(40歳)は、いま、その役職を捨てネイリストを目指す。

執筆者:泉 まつお

4. 家族の病気、将来の自分。納得できる人生のために転身を決意する

--名古屋でつらい思いをした時、辞めようとは思いませんでした?
「辞めたいとも思ったけど、まだ仕事に未練があったんです。メンバーマネジメントは好きだし、業績を上げるのも楽しい。ちょうど大阪への異動の話も出たので、もう一度、頑張ってみようと思いました」

--大阪はどうでした?
「もともと大阪出身で、土地柄や人の気質がわかるというのもあって、楽しく仕事ができました。メンバー40人中38人が女性という組織を部長としてマネジメントした時には、同じ女性として、それぞれが悩みながら自分の方向性を見つけて成長していく姿を見てとてもうれしく感じたし」

--充実感を感じていたのに、そこからネイリストに転身しようと考えたのはなぜ?
「きっかけは母親の病気です。その後の治療で今は元気にしていますが、一時はもうダメかもと言われたほどの病気でした。そんな母のそばにいたくて仕事を休んで病院に通っているうちに、初めて、仕事が邪魔、自分のポジションが邪魔だと思ったんです」

--ほかにも考え方が変わったこととかありました?
「ありますよ。たとえば、もし、母が亡くなったらどうなるかって考えた時。妹は結婚して子どもがいるので、きっと、子どものために強く生きていくでしょう。でも、私は独身。一人になって、今までのように朝から晩まで働く生活はつらい・・・。自分が好きなものを見つけて、それを生きる糧にしていかないといけないなぁって思ったんです」

--それがネイルだった?
「そう。昔からマニキュアを塗るのが好きだったから、ネイルスクールに通ってプロ資格を取り、それから会社を辞めました」

--でも、部長というポストを捨てて一からネイリストを目指すのは勇気が必要だったのでは?
「60歳まで働くとして、私は社会に出て、その半分をもう使っちゃったわけ。母が病気になって『人間はいつか死ぬ』ということをすごくリアルに感じたら、残りの時間は自分のために使いたい!って心の底から思ったんです。今までは今までで十分充実していたと思えるし、この先、ここまでして働きたくないとも思ったし」

--今はどんな生活ですか?
「これまでの経験を生かせると思ったので、人材紹介会社の契約社員、キャリアアドバイザー募集に応募。仕事をしながら、ネイルスクールではさらに上のクラスで学んでいます。ネイルサロンを開くための物件探しもしていますよ。しっかり技術を身につけたら、自分一人でのんびりとサロンをやっていきたいと思っています」



今回の決断について、
「ここまでして働きたくないと思うのは、ここまでして働いたからだよ」
「男は、子どもがいる、家庭があるからあなたのような転身をしないのではなく、子どもや家族を理由に逃げているだけ」

という男性上司の言葉が後押しになったと話す千里さん。

ネイルサロンを開業した後、再び、お話を聞いてみたいと思います。



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■関連リンク 私が出会ったステキな女性 vol.1「33歳で美容師に転身 三枝子さん」
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